植松聖被告 精神鑑定と死刑求刑と

津久井やまゆり園事件の裁判員裁判

2月7日までに第12回まで公判が進み

この間に原告側遺族の証言や

遺族から被告へ直接尋問する機会もあったが

植松聖被告(30歳)は

頑なに自分の考えをそのまま言葉にするだけで、

なぜこの惨事を起こすような

心の中の変化を説明しないままの

状態が続いている。

この12回目では

弁護側の請求を受けて

横浜地裁から精神鑑定の依頼を受けた

大沢達哉医師がその結論を出した。

(2018年の半年間、15回にわたって計30時間面接。

 被告の家族からも聞き取り。)

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(8日東京新聞朝刊社会面より)

弁護側は大麻を常用したことによる精神病が

事件への動機になったと主張したが、

大沢医師は

①「意思疎通の取れない障害者は殺す」は

 施設で入所者の家族が来ないといった体験を

 したことで「生きている意味があるのか」

 という疑問が生まれた。

②その一方で大麻の使用で違法行為への

 敷居は低くなった可能性もある。

 (犯行時に大麻成分が残っていた)

③しかし周到に準備して臨機応変

 犯行に及んでいることから

 「大麻の影響があっても少なかった」として

④動機は被告本人の強い考えに基づくもので

 大麻によって異常な発想をしたのではない。

と法廷の場で語ったそうだ。

植松被告の性格は

明るく社交的である一方で

頑固で自己主張が強い傾向があり

大学入学後は快楽を追求し、

反社会的傾向が強まったと分析したそうだ。

大麻の力はあくまでも

飲酒と同じような勢い付けで

決して精神錯乱の中でやったわけではないということか。

そうなれば遺族側が求めている

問いかけに素直に答えられるはずだが、

もはや死刑になることを見越して

自暴自棄になっている可能性がある。

あの指をかんだ自傷行為

大麻の禁断症状ではないことも

被告自身が認めているが

今のところ、だれも

本人の中にある

心の闇をこじ開けられる存在が

誰一人もいないということか。

なんともやりきれない。

 

しかし、10日に弁護側の証人である

中山病院(千葉県市川市)の工藤行夫医師

(昨年5月に1回、被告と約1時間面接)は

「被告は大麻乱用で病的に高揚し、

 自分の考えが現実的かを検討する能力が著しく低下していた」

 ので心神喪失か耗弱の状態だったとする、

 弁護側主張に沿った証言をした。

大学時代から危険ドラッグを使うように

なったことから大麻へとつながったとしているが、

職員をしていた時から

いやな気分を薬物で紛らわして

模範的な言動をとっていたということか?

謎が消えない。

そして遺族側はなぜこのような事をしたのかを

正直に説明しようとしない被告の態度に

怒りと嘆きしかないと訴えている。

 

17日に検察側は死刑を求刑したが

来月14日の判決ではどのような結論が出るのか。

なお、植松被告は控訴はしないと言っている。

 

 

 

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