東電福島原発事故訴訟 二審で原告側が初の「勝訴」!

これまで国を相手に訴えた

行政訴訟では一審(地方裁判所・地裁)で

勝訴することがあっても

二審(控訴審)で勝つのは難しかった。

まして原発事故がらみならばなおさらだった。

一審の勝訴であっても

担当する裁判長が審理を進めている最中に

人事異動になり、

それでもその直前まで

判決は自らの手で下すという

骨のある人物でなければ

なかなか国に「忖度」しない

中立・公平・公正にはならないものだった。

 

それがきのう、

誰もが驚く(かもしれない)結果が出た。

東京電力福島第一原発事故をめぐり、

 福島県内の住民や避難者ら約3700人が

 国と東電(東京電力)に損害賠償などを求めた訴訟の

 控訴審判決が30日、仙台高裁であった。

 上田哲裁判長は一審・福島地裁判決に続き、

 国と東電の責任を認め、一審の約2倍の約10億円の賠償を命じた。」

朝日新聞デジタルの記事より引用)

二審で初の原告側の勝訴、

それどころか賠償額も

原告側が要求した額(約280億円)には遠いが

一審の倍額の賠償金を国・東電に支払えという

この判決は

これから全国各地で起こされている

原発裁判に大きな影響を与えることに

なるかもしれない。

「国の対応、東電の責任を厳しく断罪する判決となっている。

 一審よりも賠償範囲が広がっている。」

原告団の馬奈木厳太郎弁護士)

 

私は福島の東電原発刑事訴訟支援団の一人になっている。

津波による事故の予見性を

東電は事前に知っていたことを問う裁判であるが、

何度も「不起訴」の厚い壁に泣かされてきた。

しかし、東電側が過去に土木グループに

その調査を指示し、その結果を受けて

「推本(政府の地震調査研究推進本部)の長期評価(地震対策の前提とするために、

 ある地域に、どの程度の確率で、

 どのような地震が起きるかを予測した評価結果)に基づいて

 津波対策を講ずるべきことを、役員に進言しました。

 しかし、役員は最終的に工事のコストと

 大規模な津波対策工事を始めると

 地元の自治体などから原子炉の停止を求められることを恐れ、

 対策を先送りにしたのです。

 そして、問題の発覚を防ぐために津波計算の結果を隠匿して、

 国や県、専門家にも知らせませんでした。

 そして、国や、自治体、専門家、他会社に対して、

 疑問の声が広がらないように根回し工作を展開しました。」

(訴訟支援団のHPより)

この事実を原告側の弁護団が掴んだことで

やっと指定弁護人による起訴によって

裁判が行われてきたが

被告人である

当時の東電勝俣恒久会長と他2名に

「無罪」判決が下された。

そして、訴訟団は再び

指定弁護人による控訴審を行うことになったが

コロナ禍などで裁判の日程などが

まだ決まっていない。

 

しかし、仙台高裁の判決が

刑事訴訟のほうにも希望の風が吹いてくれることを

期待せずにはいられない。

 

www.asahi.com

shien-dan.org

shiraike.hatenablog.com

shiraike.hatenablog.com