村上春樹氏が毎年この時期に話題となる
ノーベル文学賞であるが
2024年度の受賞者は
韓国人の韓江(ハン・ガン)さんに決まった。
韓国人としては金大中(キム・デジュン)元大統領(2000年)以来
2人目でアジア人の女性としては初だということ。
おめでとうございます。
受賞作は「菜食主義者」。
「ある日突然、
肉食を絶った妻の変貌ぶりによって、
韓国社会の女性に対する抑圧と抵抗を暗示的に描き出したと評価される。」
(上のHP記事より抜粋、以下同。)
そして映画「タクシー運転手」でも描かれた
光州事件をテーマにした
「少年が来る」を2014年に発表し
これが文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の愛読書になったこと。
またそのまた前の朴槿恵(パク・クネ)政権の頃は
政権に批判的な作家としてブラックリストに名が載ったというから
まさに反骨の人というイメージを連想させるが
「歴史的トラウマに立ち向かい、人間の命のはかなさをあらわにした強烈な詩的散文」
が受賞理由だと。
こうなると文章の力というよりは
神経の繊細さと、その間にある感情の移り変わりとかを
作品のなかにどこまで込められているかが気になる。
そうでなくても大人気になった
「パラサイト 半地下の家族」や「イカゲーム」など
韓国社会の抱えているウラの事情は
日本人がよく知っているようで
実はまったく知らないことが多いという感じだ。
つい最近も韓流ドラマを基にした
「スカイキャッスル」というドラマが
テレビ朝日系でやっていたが(最終回だけ見た。)
これだけで韓国の現在を知った気になるというのは
無理があった。だからこそ
いま私は他の本を読んでいる最中だが
全部読み終わったら、ぜひ手に入れて読みたい。
そして日本社会の抱える複雑さと
見えないところで起きる本当の問題などを
比較してみたい。もちろん共通項も含めて。
それにしても歌だドラマだダンスだと
韓流ブームはいまだに盛り上がっているが
そこに文学が入り込むことになるだろうか。
なんだかそんな感じがする。