関西生コン支部(労組)はいまどうなっているのか(きのうはメーデー)

「和歌山の生コン企業の経営者団体『和歌山広域生コン協組』が

 関西生コン支部に対して、

 暴力団等を使って監視や威圧行動を行ったことに対して、

 生コン支部が行った抗議・要請行動が

 強要未遂や威力業務妨害罪あたるとして

 一審の大阪地裁で有罪判決を受けていた3人の組合員に対して、

 3月6日、大阪高裁和田真裁判長は全員の無罪判決を言い渡しました。」

www.nakama-union.org

いきなりHP記事の抜粋になって恐縮だが、

きのうはメーデー、しかし労働組合の連合は

記念大会を29日に行うなど(しかも岸田首相を来賓に呼んで!)

www3.nhk.or.jp

春闘を含めて「労働者の日」ということが

まったく世間の関心がなくなっている。

その一方で、

労働組合の枠を越えて

生コンクリート業界の良き発展と

働く環境の改善のために活動をし続けた

全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部

(関西生コン支部)のことを

レイバーネットや同支部委員長を務めた

武健一さんの本で知ったのが一昨年のことだった。


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その武さんが2018年8月に

「恐喝、強要、威力業務妨害」の疑いで逮捕され

起訴がされないまま実に641日間も長期拘留され

さらに支部関係者が89人も逮捕されるという

令和時代の最初に起きた大規模の労組弾圧事件だった。

しかし地元マスコミは関西生コン支部の言い分を全く聞かず

警察からの情報を垂れ流すだけの報道ばかりで

武さんは完全に悪者扱いされるという

人権侵害まで起きていたのである。

上の判決はこの動きに司法が初めて「待った!」をかけた

画期的な判決となったのである。

しかし労組側が賃上げのみならず

業界の構造改革の実現を経営側と共にやろうとする動きに

経営側がレイシストまで利用して妨害を図り

さらに恐喝強要威力妨害などという

ありえない「冤罪」まで警察・検察・裁判所まで加担する

この異常さは何なのかというと

まさに武さんの本の題名通り

日本経済を牛耳る「大資本」が

生コン業界がそこに働く人々の思う通りになることを

恐れているのだ。

www.labornetjp.org

いまの日本はかっての成長を望めず

得意としてきた「ものつくり」でさえも

中小企業が生き長らえることが出来ない状況に追い込まれている。

それをモロに受けているのが

生コン業界というわけだ。

あちこちで建築ラッシュが続く中で

生コンの置かれた状況は逆に厳しくなっている。

産業別労組としての当たり前の行動が

犯罪扱いされることは労働三法どころか

基本的人権の侵害ともいえる憲法違反なのに

カネを最も持っている人間によって

たやすく潰されるこの現実を

もっと多くの人たちに知ってもらいたい。

ちなみに地元生コン業界では

KURS(近畿生コン協議会)という団体をこしらえて

労使協調とは表向きにした

関西生コン支部潰しに動いている。

その連中も武さんが2021年10月に

関西生コン支部の委員長を退いたことを

「衝撃」と受けとめているが

そのHPでは賃上げについてしか

組合(こっちのほうが偽装だ)は

全く主張せず、関西生コン支部が主張してきた

職場環境の改善などの根本的な問題がまったく討論されていない。

(ドライバー代表から新人の育成のことでの悩みの声が聴かれただけ。)

www.yui-web.jp

働く人のために闘う労働組合

日本にとって罪な存在なのでしょうか?

(付記)

週刊金曜日」最新の3月31日号では

調査報道サイト「Tansa」と連携して

関西生コン支部の弾圧事件の記事を掲載しており(先週号から)

ここでも捜査当局による支部組合員の逮捕・起訴は、

労働者運動への弾圧であると捉えると結論づけた上で

Tansaは

「今回の弾圧が誰の意思と指示により行われているのか、

 その中枢を特定するため取材を続ける」と書いてあった。

「これは関生支部だけの問題だけではない。

 非正規労働者が増え、賃金が下がり、

 生活が苦しくなるこの国で生きる

 全ての人々にとっての問題である。」


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(3月7日の東京新聞本音のコラムより)

 

(付記)

東京新聞1日夕刊社会面より。

全労連全労協メーデーは今年も1日に開催され、

関西生コン支部の松尾聖子さんが日比谷野外音楽堂で行われた

日比谷メーデー全労協系)で初登壇して

「関西生コンの弾圧は

 正当な労働組合活動が犯罪にされたことです。

 ユーチューブの動画でメチャクチャ悪いイメージをつくられたが、

 都合よく編集されたもので真実ではない。

 裁判も負けていたが、最近、無罪判決が続いた。」と話したあとに

「日本の司法では起訴された事件の有罪率は99%。

 それが勝ったんです。正当な労働組合活動は犯罪ではありません。

 無罪判決の流れを反転攻勢につなげていきたい。

 ストライキがあたりまえの社会にしたい。」と。

途中で感極まって「逆転無罪判決!ヤッタ!」と

手を上げたと。まさにバンザイだ!

www.zenroren.gr.jp

www.labornetjp.org

 

tansajp.org

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