非正規は永久に「ボーナス」と「退職金」がもらえない!

こんなに悲しくて、

悔しいことはない。

おととい最高裁判所最高裁)が下した

2つの上告審の判決だ。

一つは、メトロコマース東京メトロの子会社)の

売店に勤めた契約社員

退職金の支給を求めた訴訟。

もう一つは大阪医科薬科大でアルバイトで働いていた

秘書が賞与(ボーナス)の支給を求めた訴訟。

 

いずれも原告側の敗訴で終わった。

 

どちらも理由は

非正規社員退職金ボーナスを支給しないのは、

 不合理とは言えない。」という

「言語明瞭・意味不明瞭」な内容だった。(マスコミ報道などを要約したもの)

 

つまり、正規の社員は

非正規と違う業務上の「役割」を果たさなければ

ならない。それに対して与えられるのが

ボーナスと退職金だというのが

最高裁判事の多数意見だというのだ。

(一人だけが反対意見を出している)

さらに、ボーナスと退職金を出すことは

「正社員の確保や定着のための制度」だとする

 企業側の主張を重視したというのだ。

 

私は就職した最初の職場を

病気退職し、療養した後に

非正規の派遣社員として

職場復帰した。

最初の頃は早出などの残業などがあって

手取りの額で退職前の給与と同じくらい

もらっていたが、

ボーナスは当然ない。さらに

スポットの派遣契約のため

退職金などあるわけない。

しかし、もしも時給の高いところが

あったら勤務条件次第で

職場を変えようと思ったため

ある意味、仕方がないかと思っていた。

 

ところが派遣労働法の「改悪」のおかげで

週4日以上勤務できる人は

社会保険と厚生年金の加入が強制され、

ほとんど正規社員と同じ条件で働きながらも

ボーナスや退職金が契約内容に

「ない」という現実に直面した。

 

もちろん、複数の職場を渡り歩いて

日銭を集めまくるという「働き方」もある。

しかし、その場合は

病気・怪我・トラブルで

働くことが出来なくなった時は

もろに自己責任で処理しなければならない。

 

いわば非正規はどう転がっても

正規にならない限り

働き方改革」の恩恵にあずかることが出来ないのだが

いまや積極的に非正規から正規の雇用に

取り組んでいる企業は

数えるくらいだと思う。

 

労働政策研究・研修機構の2019年夏の調査では、

 『業務内容が同じ正社員がいる』と答えた非正規労働者のうち、

 37%がボーナスに、23%が退職金に

 不満を持っていることが明らかになっている。」

 

私のやっている仕事は正規の社員がやらない仕事だ。

だから比較にもならないし

おそらく永久に正規社員にはなれないだろう。

しかし、日ごろの仕事の評価次第で

ボーナスと退職金のようなものがもらえるならば

労働に対する意欲に違いが出てくるし

職場への貢献(忠誠心)だって高まるかもしれない。

テレビのCM枠で

わざとらしい「職場の声」をPRしなくても

明るく楽しい職場で仕事してますと

PRすることだって出来るわけだし。

 

企業側がセコいやり方で儲ける手法を

最高裁が認めたことは

将来の日本に大きな禍根を必ず残す。

現実にいま

私の職場では外国人労働者が多くなっている。

いまはコロナ禍で

仕事に困った日本人も多いが

経済を支えている現場は

もはや「誰も働きたがらない」のだ。

 

だってそうでしょう。

長年我慢して肉体と精神を酷使しても

ボーナスと退職金が「なし」では。

子どもがいたら

ユーチューバーで稼いだらと

教えたほうがずっとマシということだ。

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