川崎市「ヘイトスピーチ」差別禁止条例制定で思う事

12月12日、川崎市議会は

全国で初のヘイトスピーチに対して

刑事罰を科する差別禁止条例を

全会一致で可決、成立した。

f:id:shiraike:20191215170953j:plain

(13日付東京新聞社会面より、以下コメントも上記記事を参照。)

市内で在日コリアンが住む地域を標的に

ヘイトスピーチデモを繰り返す団体に対する

法的措置ができるように

地元住民やその支援者によって条例制定を

4年に渡って訴えてきた願いがやっと実ったのだ。

その内容は、市長が第三者で構成される審査会の意見を

聞いたうえで、最初は勧告、それでも行ったら

命令をだして、それでも違反行為をしたら

その団体の構成者の氏名を公表した上で

警察・検察に刑事告発をして

捜査・起訴をする。

そして裁判で有罪を確定した場合は

最高で50万円の罰金刑を科するとなっている。

対象は川崎市内の公共の場所で

「特定の国および地域出身であることを理由とした

 差別的言動」で

「拡声器を使う」「看板やプラカードを掲示する」

「ビラやパンフレットを配る」などの行為をした

場合である。

「条例の成立は川崎市が私たちを守ると

 宣言したということ、本当にうれしい。」

(崔江以子【チェカンイジャ】さん)

安堵の声がある一方で

この条例適用で

あらゆるヘイトスピーチが川崎からなくなるかどうかは

やってみないと分からないという事である。

今回の条例では

インターネットによる書き込みや動画の拡散は

表現の自由との兼ね合いで見送られている。

つまりヘイトをする側からすれば

川崎でこのような行為を行う

抜け穴が全く「ない」わけではない。

さらに識者からはこんな意見もある。

「ヘイト行為の繰り返しを認定する間隔は

 6か月と短い。」(師岡康子弁護士)

「(第三者機関が判断するため)どうしても恣意性が

 含まれる。表現規制が拡大する可能性をはらんでいる。」

山田健太専修大学教授【言論法】)

在日コリアンの人権を守るためにつくられた条例が

逆効果にならないためには

川崎市民全体がこの条例の中身をよく知ってもらうことと

ただ規制をするだけでなくて

同じ住民同士で国籍を越えた親善・友好・つながりを

いま以上に身近なものにしなければならない。

「こんなバカなデモや街宣をやっているなんて

 川崎市の人間、いや日本人として

 恥ずかしい!」

とみんなで共感できるようでなければいけないのだ。

そして自治体の条例ではなくて

国の法律で定めることが

本当なら一番重要なのだ。

それが困難なら、他の市町村が川崎市に続いてくれたらと思う。

でもまだまだ川崎で起きていることを

他人事として見ている日本人があまりにも多い。

来たる2020年はこれを何とかしなければ。

本当によい年になるように。

2019年、お付き合いいただきありがとうございました。

 

www.tokyo-np.co.jp

forbesjapan.com

www.asahi.com