夜間学級(中学校)八王子の場合

ことしは松戸で初の公立の夜間中学校が開校したが、

他の自治体でも中学校の夜間学級を開いて、

学びたい人々の思いに応えている例がある。

13日の早朝に放送されたNHKの目撃!にっぽんでは

「ニッポンで生きていく~東京・八王子 夜間学級の若者たち~」。

八王子市市立第五中学校の夜間学級に密着取材。

ここでクローズアップされたのは

ここで学ぶ生徒の7割が外国人であることだ。

外国人労働者がこれから多くなる。

その流れの中で、

本人のみならず家族を日本に呼んで、

働くかたわらで日本語を学んで母国では出来なかった

学校で学ぶケースが多くなっているということだ。

松戸で合唱団「はるかぜ」の音楽劇では

中国残留孤児だった人や戦争の荒波に翻弄された

ハルモ二(朝鮮)の話を取り上げたが、

次の世代(子どもなど)も学んでいることを知ってほしいと。

ここで学ぶ生徒のひとり、ベトナム人のソク・スライラブさん(19)は

お父さんが日本に住む権利を取得することが出来たことから

大所帯の家族を養うために来日。

しかし言葉の壁が立ちはだかる。仕事でも

周囲とのコミュニケーションがとれないなど

孤立することが多いことから

夜間学級のことを知って入学。

しかし授業に参加すると残業をすることが出来ない。

「妹やおばあちゃんに仕送りしなくてはいけない。」

そこで土休日は別の工場で働く。

疲れがたまり「休みたい・・・」と、授業についていけず

勉強が思うようにはかどらないことが多くなった。

その悩みに気が付いた担任の佐野先生は

彼女に補習を受けることを勧める。

さらに悩みは増えたが、

ソクさんが考え抜いた結論は2年間働いていた工場を辞めて

勉強する時間を増やしたこと。

そして授業に積極的に参加することで出来たことから

国語のテストでクラスで2番目の成績を取ることが出来た。

将来はケーキ職人になりたいと語る。

もう一人はソ・ヘーゼル・グゥエンさん(17)。

お母さんは彼女が4歳のときから一人で日本で働いて、

私立の学校に入れたが、

3年前に一時帰国した時に

髪の毛を染めて素行の良くない友達と夜遊びする姿を見て

日本に呼び寄せることを決めたそうだ。

「さみしくなったら、誰かに優しくされちゃうと

 むこうに行っちゃう。」

「私が一緒にいなきゃ引っ張らないとこの子を。」 

(母親のマリアさん

母親と一緒に暮らすようになってから

落ち着きを取り戻したグゥエンさんは、

苦労をかけたことを知り、勉強に積極的になり

漢字のテストで満点を取ったことから

自分に自信をつけて、

スーパーでのアルバイト求人に応募する。

履歴書も自分で書いた。

卒業後は日本の高校に進学することを希望している。

母・マリアさんも娘が前向きに学ぶことを決めたことに

喜びに涙して「仕事は辛いけどこれからも頑張る」

グゥエンさんも「(採用面接に)ドキドキしたけど

うれしかった。給料はお母さんに半分わたします。」

学ぶことで見えなかった未来を見つけることが出来る。

そこから希望が生まれる。

夜間中学はそれをかなえることが出来る。

しかしまだまだその存在を知っている人がそれほど多くはない。

外国人だけでなく同じ日本人もそうだ。

夜間中学校設立を促進する法律が出来たが、

それに動く自治体はまだまだ少ない。

テレビはもっと夜間中学校で学ぶ人たちの思いと

その毎日を取り上げてほしい。

決して無意味ではない。

むしろ荒廃を続けるいまの社会にとっての

救いのオアシスとなる場所がここに

ちゃんとあるのだから。

www4.nhk.or.jp

www.city.hachioji.tokyo.jp

www.sankei.com