安倍氏国葬で流れた「軍歌」などについて

あの先月27日について

安倍元首相の国葬で流れた楽曲が物議を醸しているが、

きのう(2日)の東京新聞朝刊特報面

「本音のコラム」で前川喜平さんが

詳しく解説してくれた。

まず黙祷のときに演奏されたのは

「國の鎮め」だそうだが、

なんと明治時代につくられた軍歌だということだ。

ネットで検索してみるとたくさんの数がヒットしたので

当たり前のように自衛隊絡みになると使われている曲ということで

私にとっては「知らなかった!」である。

歌詞には「國の鎮めの御社(みやしろ)と斎(いさ)き

祀(まつら)う神霊(かむみたま)」があって

御社とは靖国神社護国神社のこと、

神霊は戦死者の霊のこと。

あきらかに国家神道の歌であって

国の機関で行う行事でこのような曲を演奏するのは

憲法20条3項(政教分離の原則)に違反していると。

確かにそうだ、というよりは

国葬を強行したことで

本来問題視されるべきことがすべて明らかにされてきたような

感じがする。

まさに「パンドラの箱」が空いてしまったようだ。

さらに天皇の使いの拝礼の際に演奏されたのは

「悠遠なる皇御國(すめらみくに)」で

なんと初演されたのは2019年で

作曲は自衛隊の音楽隊員だと。

小泉道裕氏のツイッターによると

器楽曲で歌詞はないということだが

 

「悠遠とは天照大御神(記事ではカタカナ表記、以下略。)に始まる

 皇統の古さを表す言葉だ。」

「皇御國とは、天照大御神がその孫である

 邇邇芸命に与えた神勅による

 代々の天皇が治める国のことだ。」と前川氏。

これも、国民主権の存する国民の総意に基づく

「象徴」とする憲法(第一条)に違反していることであり

「せめて曲名を『平和なる日本国』に変えてほしい」と。

しかし、片山杜秀氏がシンポジウムで発言した

「超・安倍晋三」を求めている

ファシズム復活前夜といえる状況の中で

この件があまり問題にならないどころか

むしろ当たり前のように受け止めている

「空気」があるように思える。

 

そこで思い出したのは

「同期の桜」や「加藤隼戦闘隊」など、

一般大衆があの戦時中の空気のなかで

唄われた「軍歌」の記憶が

いまほとんどなくなっているという事実だ。

shiraike.hatenablog.com

「ガーコン」でたくさんの軍歌を高座で唄った

落語家の川柳川柳さんのことをブログで書いたが、

いまでは昭和時代を懐かしむ歌謡番組でも

軍歌が歌われる映像は殆ど流れなくなったのだ。

その一方で自衛隊では

軍歌や天皇を貴ぶ曲がまかり通っている。

こんなねじれ現象を認めている

いまのニッポン。

前川氏と同じ、これを放置してはいけないと思う。

自衛隊は軍隊じゃないんだから。

yseikei.hatenablog.com