「空襲被害者救済法」がなぜできないのか?

f:id:shiraike:20210611002611j:plain

いまや「赤木ファイル」を巡って

国会の閉会中審査を行うべきだと野党が訴えて

与党は逃げの一手を打っているばかりだが、

赤木ファイル巡る麻生氏発言を一部削除「言い間違えた」:朝日新聞デジタル (asahi.com)

(社説)赤木ファイル 佐川氏は真相を語る時:朝日新聞デジタル (asahi.com)

だったらこっちも閉会中審査をやってほしい。

東京・大阪など第二次世界大戦(太平洋戦争)中の

空襲被害者を援護するための救済法制定のことである。

 

あの大きな戦争では「進め一億火の玉だ」と、

国民総動員で戦争へ向けてまっしぐらで

都市部で大きな空襲を受けても

「火が出たら消せ。逃げることは許さない。」

これが強要されたことで、

多くの死者を出し、

生き延びて助かっても

体に大きな障害を抱えて苦難の戦後を送った

被害者を多かった。

しかし元軍人(軍属も)のみに恩給は出るのに

民間人であることを理由に

敗戦国であることの受忍論を押し付けられた。

これは許されないと

被害者たちが一つになって

救済法制定を訴え

超党派の国会議員連盟が生まれ

国を相手取って補償を求める裁判を起こしている。

しかし裁判は最高裁で敗訴が確定。

あとは法制定を国会で成立させるしか道がなくなった。

 

上の写真は東京新聞10日朝刊の特報面だが

今国会の成立を目指して

民主党政権に提出した法案を修正して

「受給資格は障害者に限る」

「受給額は一回きりの50万円」に絞り込み

全野党の賛同を得たが

自民党内の調整がつかなかったことで

法案提出は断念させられた。

 

2005年に戦後補償は終わったとする

政府与党間の合意を

他の戦争の補償に拡大する懸念があるからだそうだが

なんと前者は2010年にシベリア(抑留)特借法で

覆されていている(予算は23億円)。

しかも後者は民間人が戦争被害を最も負ったのは

あの時の大戦だけだから屁理屈もいい所である。

 

「希望が大きかったために残念ですが、

 あきらめるわけにはいかない。

 必ず次の国会で成立を。」

東京大空襲で母親と二人の弟を亡くした

河井節子さん(82歳)のコメント。

生きている限りあきらめない。

これは金額の問題ではないのだ。

戦争を無理矢理推し進めて

国民の命と財産を守らなかった

あのときの「日本」の歴史を

残すための「闘い」なのである。

「旧軍人・軍属には50兆円」「民間人にはゼロ」戦後補償の差を示す、あまりに残酷な数字(栗原 俊雄) | 現代ビジネス | 講談社(3/6) (ismedia.jp)

東京大空襲とは – 東京大空襲・戦災資料センター (tokyo-sensai.net)

 

10万人死亡「東京大空襲」の翌朝、政府が何と言ったかご存じですか(大前 治) | 現代ビジネス | 講談社(1/4) (ismedia.jp)