石井麻木写真展「3.11からの手紙/音の声」を見た

本当なら3月の福島の旅で見る予定だった。

 

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石井麻木さんの写真展「3.11からの手紙/音の声」。

東日本大震災原発事故伝承館の隣にある

双葉町産業交流センターで先月6日から行われていたが、

豪雨と突風の旅でさらに寝坊もしたため、

見に行ったのは

3月20日の春分の日になってしまった。

会場は高円寺にある旧杉並区立杉並第四小学校。

隣には児童園があったが小学校は

3月31日で閉校。この校舎だったところで

行われていた。

 

校門をくぐり玄関に入り

体温チェックと手の消毒、

下駄箱にあるサンダルに履き替えて会場に。

二階の広い教室(家庭科室か?)に

写真が展示されていた。

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(写真は上下とも広報すぎなみ3月15号より、会場で配布されていた。)

石井さんも最初は

避難所に行ってもカメラを向けることに

ためらいを感じたという。

しかし何度を通ううちに

残しておかなければいけない

言葉のようなものを感じ、それを写真にした。

私が強く印象に残ったのは

避難所の中にあった桜の枝、

花は咲いていた。

絶望の中からかすかな希望を掴んだ。

そんな思い、さらに

灯篭流しのなかに

「東電作業員として働く

 弟を誇りに思います」として

廃炉がはやく進むことを願う言葉。

そして、給水車を見送る

避難所のお姉ちゃんと妹、

「小さな命に大きな未来、たいせつにしたい」と

メッセージ。私もそう思った。

復興支援ブースにはさまざまプロジェクトの

出店と募金箱、

さらに「風とロックと」などのライブシーンの写真には

たくさんのアーティストの熱唱の写真が。

長澤まさみさんもいたとは初めて知った。

いまはコロナ禍のため

復興応援のためにライブをやりたくても

思うようにならない。

だから「音の声」で応援を。

 

ちなみに東日本大震災直後から

杉並区と南相馬市は以前から交流関係にあったということで

さまざまな支援を行ったそうだ。

石井さんも杉並の人ということで

写真展の後援を区がやっているのだと。

それにしても

前を向いて歩む避難者たちの笑顔に

なにか救いを感じるのは

なぜだろうか?

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(会場裏に咲いていた桜の花。)

おそらくこの終わりのないコロナ禍で

いつの間にか笑顔が失われた

日常が当たり前のようになっていたのかもしれない。

しかし、福島は今も苦しんでいるが

あきらめてはいない。

この思いを受け止めたい。

そしてこれからも出来ることを考えたい。

 

この写真展は東京・福島での開催が終わり、

きのうから福岡県の博多阪急(駅ビル)に場所を移している。

震災直後は風評被害で福島がバッシングを受けたこの地でも

支援へのあたたかい眼差しが向けられることを信じたい。

石井 麻木写真展『3.11からの手紙/音の声』 |博多阪急・売場インフォメーション (hankyu-dept.co.jp)

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