「放射線像・放射能を可視化する」がやっとテレビで放送された日

いまから4年前の6月、

市川市の小さなギャラリーで行われた

放射線像・写真展」を見た。

オートラジオグラフィーという

装置を使って

放射線像を可視化させ

それを映像(写真)で残すという

初めての試みに

ただ驚きばかりだった。

「『自民が原発の責任を取れ!』今では風化された言葉になった。

 しかし福島第一原発事故がもたらした証拠はちゃんとここにある。」

あの時、自分でつくったホームページで

最後にこう書き結んだ。

数値でしか表せない放射能の脅威を

見ることで理解できることは大きいと

思ったからである。

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13日深夜(14日早朝)に日テレで放送された

NNNドキュメント

この可視化のことと、写真展を見た

2016年以降の動きを伝えてくれた。

放射能を「視る」試みは

1946年の核実験の時にも行われ

実験場周辺の海で獲れたフグを

X線で撮影したら

放射性物質が白く光って見えた。

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それから70年以上たった

2011年、東大農学部

森敏名誉教授が

オートラジオグラフィーによる

放射性物質の可視化を研究して

福島第一原発事故以降の

事故現場近くの植物を採取して

その映像を記録し、

自身のブログで情報を発信した。

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(対象の物質をこのプレートにはさんで放射性物質を可視化させる)

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放射性物質が黒く出てくる。量によって現れるまでの時間が違う。)

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(実物に近い形状に修正して映像化させる。)

2012年から映像作家の

加賀谷雅道氏も参加して

植物のほかにブラックバス

ヘビ、さらに上の写真にある

軍手、ほうき、スコップなどの

可視化などを実現させる。

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(市川の写真展でカンパしたことで戴いたポストカードより)

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(2015年に浪江町で採取された葉とスーパーで買った食用の葉の比較

 浪江町のほうが葉脈を通じて放射性物質が入り込んでいる。)

 

さらに2018年12月には

茨城キリスト教大学桑原隆明講師とともに

帰宅困難区域を中心に

キイロスズメバチの巣を採取して

中の構造を調べた上で

可視化させると

その放射性物質が白く写すことが出来た。

ゲルマニウム半導体検出器で測定すると

巣の外皮に

23万874ベクレル/㎏の

セシウムが検出された。

 (下で貼り付けたホームページでは

 3D映像で見ることが出来る。)

さらにチェルノブイリ原発事故で

捨てられた村・プリチャチに

加賀谷さんが足を踏み入れ

リクビダートル(事故処理する作業員の名称)

が着けていたマスクを

村の中央病院跡で発見されたことから

(ガイドが見つけた)

まずプレートで撮影したあとに

それをドイツの研究所まで

持っていき、可視化させると

放射性物質で白くなった箇所が

たくさん出てきた。

(番組タイトルの入った写真より)

 

私自身すっかり写真展のことを

忘れてしまっていたが

森さんや加賀谷さんは2016年以降も

海外で写真展を精力的に行い

それらは高い評価を受けている。

だからこそ満を持しての

テレビ番組の放映になったと思う。

ただただ反省。

すみません。

今後はもっと関心を持って

応援しなければ。

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