もう旧聞になるが、21日に「東洋大学立て看同好会」のアカウント名で
拡散させた同大学4年の船橋秀人君が、完成した看板を校内で掲示して
その前でビラ配りをしたところ、学生課の職員4~5人に2時間半にわたり
事情を聴取され「表現の自由には責任がともなう。何らかの処分で
責任を取ってもらう」と、退学処分を示唆されたと、
ツイッターに書きこんだことから学内外(特にネット)で大きな反響を
巻き起こしたのだ。
インディペンデント・ウェブ・ジャーナル(IWJ)のメールマガジンから
抜粋して、ビラの中身を紹介する。
「この大学はこのままでいいのだろうか?
我々の生活が危ない!
竹中氏の過悪、その一つは大規模な規制緩和である。特に2003年の労働者派遣法の改悪がこの国にもたらしたものは大きい。それまで限定されていた業種が大幅に拡大されることで、この国には非正規雇用者が増大したのである。「正社員をなくせばいい」や「若者には貧しくなる自由がある」といった発言は、当時の世論を騒がせた。
しかしながら、この男まるで反省の素振りを見せない。
「朝まで生テレビ!」という番組では、自らの政策の肝であったトリクルダウン(お金持ちが富むことでその富が貧しい者にも浸透するという理論)について、「あり得ない」というある種開き直ったかのような発言をしており、まるで自分がやった責任について無自覚なようだ。
また、昨年可決された高度プロフェッショナル制度については、「個人的には、結果的に(対象が)拡大していくことを期待している」などという驚くべき思惑を公言している。つまり、初めは限定的なものだからという理由で可決された労働者派遣法が、今これほどまでに対象を拡大したように、高度プロフェッショナル制度は、今後とも更なる拡大が予想されるのである。
無論、我々も例外ではない。労働者はこれから一層使い捨てにされることになるのだ!!
様々な利権への関与!?
竹中氏が人材派遣会社のパソナグループの会長を務めているということも忘れてはならない。というのも労働者派遣法の改悪は、自らが会長を務める会社の利権獲得に通じていたからだ。まさに国家の私物化である。
また、最近では昨年法案の正当性について全く審議されずに可決された水道法改正案と入管法改正案についても関与していたことが明るみになっている。更に加計学園との関連も取りざたされており、今後ともこの男の暴走を追及する必要がありそうだ。
今こそ変えよう、この大学を、この国を
皆さんは恥ずかしくないですか、こんな男がいる大学に在籍していることが。僕は恥ずかしい。そして、将来自分や友達や自分の子どもが使い捨てにされていくのを見ながら、何も行動を起こさなかったことを悔いる自分が、僕は恥ずかしい。意志ある者たちよ、立ち上がれ!大学の主役は、我々学生なのだ。右も左も前も後も何にも分からない人も、みんな集まれ。民主主義は決して難しいものではない。共に考え、議論し、周りに訴えながら、もう一度みんなでこの社会を立て直そう!!」
これを読んで、今の若者の中にも「金だけ今だけ自分だけ」に流されることのない
しっかりと世間を社会の未来を考えて人間がいることに喜びを感じ
そして私のような非正規労働者の立場だからこそ声を大にして叫びたいことを
船橋君はきちんを代弁してくれたことに、どれだけ感謝したら良いかわからない。
しかし東洋大学は学生生活ハンドブックを盾にして「立て看禁止」という
学則に書いていないことで船橋君を注意や警告を超えた退学勧告という
脅しをかけて竹中平蔵「国際学部グローバル・イノベーション学研究センター長(教授)」を守ることを選んだのである。
学生の学内での無許可の立看板設置並びにビラ配布に関する本学の対応について | Toyo University
そもそも大学側は立て看板については
それなりの手続きをとればあらゆる掲示を許したのではないのか。
それが、学生側の無関心を良いことに
突然立て看板の原則禁止をハンドブックに書いて有形無形の縛りをかける
このような学生自治のあり方を無視する大学側のやり方は京都大学でも
問題になった。
大学側の発表では退学処分にしないことを確認した上で
当該学生に不利益になるようなことをやめてほしいというお願いをしているが
自らの強圧行為をやっていないと言い張り、船橋君をウソつき人間に
仕立て上げるような声明文を出している東洋大学の在り方こそが
彼の人生に極めて不利益を与える行為そのものである。
いっそのこと、竹中教授に文句があるなら直接訪ねて
自らの主張をぶつけてみたらどうなんだと
学生課職員が船橋君にそう言えば良かったのではないのか。
大学は学問を研究し、そのために個々の思考を高める場所であり、
先生の言うことにただ黙って従う場所ではないはずだ。