ピエール瀧さんを覚えていますか?(沖縄慰霊の日に)

コロナがなければ、

というより緊急事態宣言がなければ

いまごろ沖縄にいたはずだった。

このブログで何度も書いた

「ガマフヤー」の具志堅隆松さんは

再び県庁前でハンストに入ったとニュースを見た。

「沖縄戦の遺骨が混じった土砂を新基地建設に使わせない」具志堅さん、再びハンストを開始 | 沖縄タイムス+プラス プレミアム | 沖縄タイムス+プラス (okinawatimes.co.jp)

なんともやり切れない。

遠くから応援することができないとは

辛い。きょう沖縄慰霊の日。

 

しかし、話題を変えなければいけない。

そのニュースを知った昨日の東京新聞社会面に

大きく出ていた記事。

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2019年3月に覚せい剤所持で逮捕された

ピエール瀧さん(執行猶予付きの有罪確定)が出ていた

映画「宮本から君へ」が、

突然、文化庁所管の独立行政法人

日本芸術文化振興会」(芸文振)からの

助成金交付が打ち切られたことで

制作会社「スターサンズ」が不交付決定の取り消しを求めた訴訟。

おととい東京地裁で判決があり

裁量権の範囲の逸脱、乱用した違法な処分」として

原告勝訴となった。

このケースは初めてだそうだ。

 

もっとも犯罪者が出ている映画に

助成金を出すなんてとんでもないという声もある。

あの時はピエール瀧さんが現行犯の逮捕ということで

ワイドショーや週刊誌は集中砲火状態で

テレビからは事実上の永久追放。

その中で「宮本から君へ」はどうなるのかという関心が

一部にあったが、結局出演シーンをカットせずに公開。

実は芸文振はスターサンズにカットなどの再編集を求めていたと

判決文の中にも出ていて、

清水知恵子裁判長はそのことについて

助成金を受けるために意に沿わない再編集をすることになれば、

芸術団体の自主性が損なわれる」と判断し

不交付とする合理的理由があるとはいえないと。

もちろんこれには映画・芸術関係者から

喜びの声が上がっている。

さらにスターサンズは「新聞記者」の制作を手掛けたことから

権力からの圧力がかかったのではと言われたことから

「この問題が映画界にもたらした萎縮効果は大きい。

 判決によって与えられた武器をきちんと使えるかは

 作り手次第だ。」と監督・脚本家の井上淳一さん。

その井上さんも

「学術会議の問題しかり、以前ならありえないところまで

 『お上』が介入するようになってきた。

 きちんと声を上げて闘った原告に敬意を表したい。」と。

 

いまやピエール瀧さんはすっかり名前が忘れられた存在だ。

芸能界では以前にクスリで逮捕された大物が

謹慎期間を経て復活して人気が復活した例は数多い。

(もちろん海外でも)

しかし、彼はいまだに復活の声を聞かない。

「宮本から君へ」はテレビドラマ版を含めて

見たことがない。(漫画の原作は少し読んだ)

でもその作品でも演技は本物であると信じたい。

携わった多くの人々もそう思っているはず。

それを確かめるための「権利」を奪うことは

お上であっても許されるはずはない。

これこそが

憲法上の「表現の自由」における

「芸術の自主性」の尊重であるはずだ。

 

今度レンタルかPrime(Amazon)なんかで見ておかなければ。

記事を読み終えてそう感じた。

 

「表現の自由を尊重した画期的な判決」と原告 ピエール瀧さん出演映画への助成金不交付違法判決に【動画】:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

宮本から君へ : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)