「高橋伴明監督を迎えて…」で昨日書けなかったこと。

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8日に行われた「袴田事件から裁判員制度を考える」講演会では
こんな話も聞いたが、昨日書き損ねたので紹介したい。
 
その1.袴田さんは極めて常識的な人だった。しかし死刑判決が下された。
    このような冤罪をさせないためにも、裁判官がは今までの組織やシステムに染まらないようにしてほしい。
    しかしそれには司法が地に堕ちなければだめなのだろうか?
    「私は映画監督だが、この世界でも配収が良いほうがエライという風潮がある。
     だから誰も映画を見なくなる時代が来たらいいと思ったことがある。
     そうすれば映画界も根本から変わってくるだろうから。」
その2.高橋監督も学生運動に参加して逮捕、拘束されたことがある。
    その時に折り紙をしていたことで懲罰を受けて独房に入れられたことがあるそうだ。
    映画「BOX 袴田事件命とは」では、
    いつ自分(主人公の袴田さん)が死刑執行になるかわからないという恐怖を
    刑務官の靴の音で表現したシーンがあったが
    「自分も独房に入れられた時に刑務官の靴の音が気になったことがある。
     その経験で演出した。」
    逮捕されたときには取り調べを受けたこともあるから
    自白に導く警察のうまさも実感し、この映画にも生かされたとも話していた。
その3.殺害の決め手になったのは「クリ小刀」とされているが、
    現場には刃の長さ19.3センチ、刃の広い部分3.4センチの登山ナイフが置かれていた。
    「これが証拠として採用されなかったことはどうみてもおかしい。
     クリ小刀で何人もの殺害するのは無理だというのは調べればわかったこと。」(高橋監督)
その4.「BOX…」は反社会派映画であることについて
    「文科省推薦とかいうのを作るというのはどうもと思う、以前法務省推薦作品を作ったときに後悔したことがある。」
    時代や世論の流れとは違う自分の考えや主張を大切にして映画を作りたい。
    「裁判員制度による評決も裁判官による判決も多数決はおかしいと思う。
     全員一致でなければダメではないのか。」
     個人的には熊本さんは裁判官をやめる前に告白してくれればと高橋監督はそう思ったこともあったという。
その5.後藤弘子さん「映画のなかで子供たちが、かごめかごめをやっている所がありましたが
           これは袴田さんや熊本さんなどの家族のつながりをイメージしてつくったのですか?」
    高橋監督「特に意識してなかった。すみません。」
    でも確かに家族のイメージが十分にあったと私は思った。
    それほど印象的なシーンでした。
    

(12月6日に日本キリスト教婦人矯風会の創立124年記念集会が行われるそうです。)
おしらせ.28日に「第20回映画祭 TAMA CINEMA FORUM 「冤罪」 -- 繰り返される過ち --」
がベルブホール(多摩市立永山公民館)で13時半から行われます。
「BOX…」の他に「日本の黒い夏 冤罪」も上映されます。
森達也公式サイト
http://moriweb.web.fc2.com/mori_t/info.html
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