NHK「ひろしまタイムライン」騒動にあるもの

戦争にしても自然災害にしても

もっとも警戒しなければならないのは

「デマ」なのだ。

誤った話があっという間に拡散されるのは

緊急事態で多くの人間が

パニックを起こした時に多いからだ。

ではこの例はどうなのか?

f:id:shiraike:20200831021201j:plain

(28日東京新聞特報面より)

朝鮮人だ!大阪駅戦勝国となった

 朝鮮人の群衆が列車に乗り込んでくる!」

「誰も抵抗できない、悔しい・・・・!」

もしも75年前にSNS(Twitterなど)が

あったらという想定で企画された

NHK広島放送局の制作による

ひろしまタイムライン」。

当時中学一年生の「シュン」少年の

書き込みが

在日コリアンに対する差別を助長したとして

同局に削除を呼び掛ける動きが広がっている。

 

ブログなどを通じて呼びかけている

ピースフィロソフィ・センター(カナダ)の

重松聡子さんは

「広島発のヘイト(憎悪)は国際的に見ても

 恥ずかしい」と感じ、

「植民地支配があったとわかっている

 今の時代にあんな表現をするとは差別的。

 それをNHKが発信するとはおかしい」と

このブログに賛同した

被爆者の三宅信雄さん(91歳)。

 

これに対してNHKは

視聴者の皆様がどのように受け止めるかに

ついての配慮が不十分だったとした上で

(8月20日にシュンが発信したツイートについて、お問い合わせなどいただきましたが、これはシュンのモデルとなった人物の手記やインタビュー取材での実際の表現にならったものです。詳しくはNHK広島放送局のHPにある「ひろしまタイムライン」へ。)

「ご迷惑をおかけしたことを

 おわびします」としたが

上記の書き込みは削除されていないとして

騒動が拡大されたと

28日の東京新聞特報面が記事に

したのだ。

 

正直いって

NHKは説明不足が多いのだ。

シュンは少年なので

この手の混乱に

なにがなんだかわからない状況で

こんなことを

ヘイトになると思わず

口走ってしまうという

注釈をきちんとしないから

国際的な誤解をさせてしまうのだ。

たとえ戦争が終わったとしても

少年たちの思いは

すぐに平和への安堵に向かうことはない。

だから差別的な態度を取るのを

時代背景に沿って

説明責任を果たすことが

NHKに求められているのに

ホームページを見ても

それが疎かになっている。

これでは削除したほうは

マシだと思うくらいだ。

 

ひろしまタイムラインの放送と配信が

終わったことで

この問題をウヤムヤにしてはいけない。

NHKはいっそ今回の件で

もう一本検証番組をつくってみては

いかがだろうか。

そうした方がうう

公共放送としての良心にかなうことに

なると思うのだが。

でなければシュンの書き込みに

「これはデマです!決して真に受けないでください!」

と付け足ししたほうがいいと思う。

 

削除を死んでもやりたくないのならだ。

 

ちなみに前田晃伸会長も

10日の記者会見で

「公共メディアとしてはあってはならないこと」で

現場の対応を批判している。

 

 

www.nhk.or.jp

www.buzzfeed.com

www.nikkansports.com