ニッポンが勝ったからこそ「カタールW杯」の問題点を

ある東京の区議会議員が

ドイツがFIFAワールドカップカタールで行われていることで

国際的な人権問題に抵触していることがあるということで

そのドイツが日本に負けたことで「残念」とツィしたら

炎上寸前になりその後に訂正した後で

日本が勝てばそれが同調圧力にならないかと指摘したら

「素直に喜べないのか」という反論が殺到したということを知った。

football-tribe.com

しかしこの羽鳥だいすけという人物の言ってることは

決して間違いではないのだ。

www.tokyo-np.co.jp

きのうの東京新聞朝刊一面の記事だ。

「ドイツ公共放送ARDの調査では、

 56%が今大会『全く見ない』と回答。

 その理由に『関心がない』に続き、

 カタールにおける『人権』が挙げられた。」

この文章は同日紙面の「こちら特報部」のものだが

あの23日の試合でドイツ代表の選手は

試合前の集合写真のときに

全員が口を手で噤んでしまったのだ。

「大会前、ドイツを含む複数の欧州のチームは、

 虹色のハートマークに『ワンラブ』と書かれた腕章を主将が着用し、

 性的少数者(LGBTQ)らへの差別反対を訴える考えだった。」

しかしこれはFIFAの圧力によって断念させられた。

また、虹色のTシャツを着たサポーターが

会場への入場を拒否されたケースがあった。

www.nikkansports.com

本来ならば、W杯やオリンピックなど

国際的なスポーツ競技の大会は

あらゆる宗教や社会などの立場を超えて

選手たちのみならず

観客や指導者たちのそれぞれの自由が

どの国でやるにしても

「中立」であるはずだ。

しかし、中東諸国で初開催のW杯は

国際政治の緊張した現実を目の当たりにする。

それが「性的少数者」の差別で表にでている。

日本ではよく

「スポーツの世界に政治を持ち込むな」という声が大きいが

いまでは競技会のトップに立つのは

みんな政治と経済に影響力をもっている。

だから、競技が始まる前から

政治の世界がスポーツに持ち込まれていることを

きちんと知るべきだと思う。

さらに日本は情けないことに

政治の力で競技の国際的な競争力が

強くなったためしがない。

だからスポーツの世界から

政治や経済の力を排除したほうが

理想的なのに、競技会の規模が大きくなるごとに

結果的に政治や財界の力を頼りにするのだ。

そういう意味ではドイツの態度が正しいし、

あの試合前には日本人の大半は

そういうバックグラウンドにあるドイツでも

サムライブルーは歯が立たないのではという

不安と不信があったのではないか。

日本の勝利は嬉しいが

インタビューを受けた選手たちは次の試合に向けて

謙虚で控えめな声を語っていた。

おそらくドイツの選手たちの気持ちを慮ったのでは

ないだろうか?

次は日曜日(27日)、相手は

世界でわずかしかない「軍隊のない国」

コスタリカである。

サッカーW杯は揺れ動く国際情勢にあがなう

「平和と文化の祭典」であることを

もっと受け止めて行こう。

sportiva.shueisha.co.jp