日本では、
ひき逃げ事件はほぼ99%の確率で
犯人が検挙されるという。
それだけ捜査体制が確立されていることを
自動車運転免許の講習で
さんざん言われたことを
私は覚えている。
しかし、残り1%の中には
このような事例がある。
それが先週木曜日(4月2日)に録画して見た
「10年 埼玉県熊谷男児ひき逃げ事件」
だった。制作は地元のテレ玉。
2009年に熊谷市で起きた
ひき逃げ事件。当時男児の命を奪われた母親は
犯人を捕まえるのは警察の仕事だからと
捜査などのすべてのことをおまかせするしかないと考えていた。
しかし、2016年に警察が容疑をかけていた
道路交通法違反(ひき逃げ)が時効になると、
近所の人や小学校の関係者などの協力を得て
ビラを配ったりするなどで
目撃情報の提供を呼び掛けたり
事故現場に近い国道などで
交通量やどの車が多く通っているかを
調べたり、ブログを立ち上げて
事件の風化を阻止しようと
出来ることはすべてやってきた。
しかし、10年後の2019年になって、
事件の証拠品として押収していた
腕時計を埼玉県警が紛失し、
しかもその書類も改ざんしていたことが明らかになった。
さらに有力情報が県警に来たことを知り
犯人検挙への期待があがったのにもかかわらず
そこまでに行き着くことが出来なかったどころか
遺族であるお母さんのもとに
一人の記者が訪ねて
本人も知らなかった捜査情報をしゃべったのだった。
すべての警察を信用するわけではない、
しかし、警察寄りの情報を報道することで
自分たちが捜査のために提供した
個人情報が流出することは
決していいことではない。
私たちに向いてくれた
報道をしてくれればと思うと語っている。
そして、
請願をしたことで
この事件は
切り替えることが決まり、
時効も2029年9月まで延びた。
「このひき逃げは飲酒運転か
薬物によるものか、
それとも意図的に起こしたものなのか」
捜査当局は答えられなかったことに
遺族側は不信感をもったという。
そしていま、
ふたたび地元住民や当時の小学校の関係者、
それだけでなく地元のコミュニティFM、
印刷所(無償でビラづくりに協力)、
さらにバス会社(車内にビラを展示)などが
広く協力して
犯人逮捕へ有力情報の提供を
きょうも呼び掛けている。
この事件がいまだに未解決なのは
初動捜査の甘さと証拠品から
手がかりがつかめなかったこと、
(車の破損片やタイヤ跡では車種がつかみきれなかった)
そして、背後から車が男児の乗った自転車を跳ねたあとで
反対から来た車が男児を牽きつぶしたという
特殊性のある事故だということらしい。
(遺族から依頼をうけた日本交通事故調査機構
佐々木尋貴さんの鑑定によるもの。)
ビラにも書いてあった
「犯人は秘密を抱えて生きていくことは難しいと思います。
きっと誰かに話していると思います。」
だから情報が入ってくることをあきらめないと。
ぜひともご協力をお願いしたい。