福島 「背信の果て」の被ばく隠ぺいを許すな

11日の東京新聞福島第一原発事件における、
初期被ばくの測定がなぜ行われなかったを
追及し続けた連載「背信の果て」の最終回が特報面に。
福島県は事故後の避難者への被ばく測定を
マニュアルにしていたのにも関わらず
国の研究機関である放射線医学総合研究所(放医研)は
「線量増加前に避難完了」「健康上問題ない」「疫学調査は不要」
と判断したことによるものだった。
記事では、福島県のマニュアルは
GMサーベイメータで体についた汚染を測定し、
その後に拭き取りによる除染を行い、
NaIサーベイメータをのどに当て
甲状腺内部被ばくの程度を測るとされていたのが、
実際には、汚染検査で100ミリシーベルトになるGM13000cpmが出たら
被ばくを問題視する基準値にしながら、
人手や資機材が不足していたことを理由に
基準値を100000cpmに上げて汚染検査後の対応は除染のみ。
甲状腺サーベイメータを当てることをやらなかった。
県立医大から13000cpmに達する人がたくさんいるという報告を
受けた(放医研の立崎英夫氏のコメント)のにもかかわらずである。
しかも100000cpmは0.17ミリシーベルトという文書を
放医研は事故直後の3月17日に作成されたこともあり
それが避難者に対して初期被ばくの測定をしなくても良い
とする結論に至ったのである。

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この100000cpm=0.17ミリシーベルトの計算も
GMサーベイメータがとらえた放射線の数量から
法令に基づく換算係数で導きだした数値で
もっとも信頼できる基準値と文書で説明されているが
放医研関係者の取材による解説では
GMの読み取り窓は直径5mmで、その分で取り込んだ量だけで
体内に取り込んだ量にすれば線量が小さくなる、それが要因の一つで
さらにもう一つとして、
甲状腺の被ばく線量ではなく全身に及ぼした線量で計算した点。
この量が二桁ほど値が小さくなる。
このやり方が乱暴でむちゃくちゃな計算だということだと。
つまり前述の2つの測定をやらないと
都合の良い数値だけを抽出して、あとは方程式のようなやり方で
基準値をどうでも操作できることで
甲状腺を襲う「初期被ばく」の測定はしなくて良いと
説明責任を果たすことができる。当然ながら
不正統計であり、事実の隠ぺい行為と言われても反論することは出来ない。
記事の最後には当時の放医研・緊急被ばく医療研究センター長だった
明石真言氏も「もともとあった甲状腺被ばくの計算方法は議論していなかった。
不十分だった。」と文書を書く前と書いた後の基準値への矛盾を認めた。
福島県では「県民健康調査」の検討委員会ではいまだに
原発事故と甲状腺被ばくとの因果関係に関する結論が出ていない。
やらなければいけない測定をやっていないのだから当然である。
そしてこのような現状を導き出したのは、
当時の文科省経産省厚労省
そして放医研の責任が重大である。
いまこそ自分たちのやってきたことを再検証して
全ての福島県民に謝罪すべきである。
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