絶望だらけの働き方改革・再チャレンジ可能な社会なんてウソだ

就職氷河期の世代を正社員として採用させるため

 厚生労働省が企業に支給する助成金の利用が、

 予算の一割未満にとどまっていることが判明した。

 『同一労働同一賃金』という政府の掛け声とは裏腹に、

 一九九〇年代後半から二〇〇〇年代前半までの

 この世代を中心に非正規で長年働く人たちの就労支援は進んでいない。」

 3月19日の東京新聞朝刊1面トップの記事のうちの一文を見て、

 もともとこのような助成金を知っている就職氷河期世代が

 どれだけいるのかということと、

 もはやこの世代のうちの誰がで、正社員として就職できる

 世の中になったと信じ込んでいるのかということと。

 たぶん一人も存在しないと思う。

 もともと就職の求人票には必ずといっていいほど

 年齢制限(条件によっては最終学歴も)が入っている。

 そのほとんどは38歳が壁になっているのだ。

 「年齢問わずやる気のある人募集!」なんていうのは

 たいていブラック企業だったりして

 それがダメなら非正規の道を選択するしかないのである。

 男女雇用機会均等法によって求人から性別の欄が消えた。

(もちろん建て前で、実際は選考の段階で性別の制限があることも多いが)

 ならば年齢制限の撤廃を、法律の改正で出来ないのか。

 いくら助成金制度が出来ても企業側にも

 職場の人間関係や組織の在り方を考えると一歩踏み出すことが

 出来ないことが多いのではないか。

 荒療治になるが法律で「年齢による差別をするな」と

 強制することによって、年齢に関係なく

 互いの能力やその他の良しあしを認め合う

 職場環境づくりを政府が音頭をとって推進する方向に

 転換できるのではないだろうか。

 もちろん過剰な能力主義は働く本人を傷つけ

 職場を崩壊させることがある。これを許さないためにも

 総合的な人的評価制度の見直しを図ることが肝心だ。

 年齢制限が疑問視されないのは

 年功序列が当たり前の企業社会が日本に定着したのと、

 それに正反対の実力ファースト主義のもとで

 社員を金稼ぎのための手駒としか考えない

 経営者が増えたことに対するアンチテーゼだと思う。

 しかしそれでは就職氷河期世代を救うことは

 永遠に出来るわけがない。

 私を含めてみんな、今の仕事と職場について

 全く順応しないわけではないのだから。

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