元・体育館らしき所で開かれる
映画「0(ゼロ)からの風」の上映会の会場へ行ってみると、
中はガラガラ、というよりは私を含めて2人だけ。
やっぱり会場前の看板だけでは地味すぎてダメなのかなあと思ったが、
スタッフの方は始まる前の挨拶で、この映画は2007年以来全国で上映会が行われて
今年、岩手で初めての上映会が行われることで
47都道府県すべてを回ることが出来ましたと笑顔で話してくれた。
映画の内容と詳細は公式ホームページで見ていただきたいが、
私はこれを見て鈴木共子さん(生命のメッセージ展の代表)が、造形作家であることと、
署名活動だけでなく、遺族たちの思いを知ってもらうために
「メッセンジャー」を作り(他の遺族たちにも呼び掛けて)、
展覧会を行うことを考え行動に移したことが
「危険運転致死傷罪」を刑法改正で実現させたこと。
そして同じ苦しみと悲しみを抱えた人々から始まったつながりが
多くの人々との「いのちのつながり」になることへの希望を感じた。
鈴木さんは突然息子さんを飲酒運転の車による死傷事故で失った。
この事件は決して特殊なことではない。
日本中で交通事故が多発している。
飲酒運転や無免許ドライバーが加害者になるケースが多く、再発率も多いという。
このような絶望ばかりの状況のなかで
遺族たちが自分たちの悲しみを訴えるだけではなく、
「自分のいのちは誰かと必ずつながっている」ことを知ってもらうことで
車を運転するときも、それ以外で誰かと接するときも
「互いのいのちを尊重することが大事」であることの重みを知る。
そうなれば、悲惨な事故も殺人、虐待もすこしづつ無くなっていくのではないかと。
ここまでやってきた鈴木さんはたいへん強い人だと(映画では別の名前で)思った。
約2時間の上映後、再びミュージアムに戻った。(つづく)
(鈴木さんの長男、零さんのメッセンジャー。)
映画「0(ゼロ)からの風」ホームページ
http://www.zero-karano-kaze.com/contents/index.php