Beyond the Waves を見た

きのう北千住のシアター1010でベルギー映画

「Beyond the Waves」(ビヨンド ザ ウェイブス)を見た。

ベルギーといっても監督がベルギー人(アラン・ドゥ・アル―)

だけのことで、その内容は参議院議員で俳優の山本太郎氏の

活動とその中にある思いを追いかけた内容になっている。

東日本大震災とそれで起きた福島第一原発事故

衝撃を受けて、福島の人々に一日も早い非難を呼び掛ける

動きに自ら動き、仕事が途中降板に追い込まれたのを機に

所属していた事務所をやめて脱原発活動へ身を置き

そして参議院選挙へ出馬、当選。

議員活動で見えてきた国会と政治の現実。それでも

自分のやるべきことは原発以外にさらにあると感じたことで

貧困、労働問題にも目を広げ

安倍政権が仕掛けるTPP(環太平洋連携協定)や共謀罪

安保法制(戦争法)などを強行する動きにあらゆる形

で抵抗し続け、そして

安保法制の採決の時は

最後の抵抗を全ての言葉に変えてすんなりと反対票を投じなかった。

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もともと原発事故さえなかったら

「自分はCMや俳優の仕事でまとまった収入を得たところであとは

 ゆったりとできる。海で好きなサーフィンを思う存分できる。」

でもいまは

「お坊さんと同じ毎日を送っている。今の身分で羽目をはずしたら

 何を言われるかわからないでしょう。」

しかし、決して自分が事故直後に感じたあのことを忘れない

「あの時政府は、現時点では健康的影響はないと言った。

 いやそれは違うでしょう。ただちの避難をする必要がある

 というのが正しいんじゃないですか。私はその政府に

 言い分にも信じられない思いがあった。」

この映画の前に横川圭希さんのトークライブがあり

山本太郎さんはいまでもブレないでいる」

時には、自分は誰と戦っているのだろうという悩み

ながらも、福島の人々にたいしてはっきりとしたメッセージ

を送りながら、国会前に集う人たちの訴えの先頭に立ち

警官隊ともみ合いになり一時は逮捕寸前になりながらも

抵抗の現場から決して逃げない。

さらに最近では選挙期間中ではないのに街頭演説で

いまの国会の在り様をライブ感覚で多くの国民に

伝えようとする姿勢を

これでもかと僅か1時間で全て凝縮させている。

この映画にはエンドマークはない。

まだまだ山本太郎の訴えに終止符は打たれていないからだ。

「彼が恐れているのは自分らしくない自分になってしまうことだと

思う。」(横川圭希さんのトークより)

上映が終わったとき、誰も何も言わず会場を後にした。

「僕はこの作品を見ないでおこうと思います。おそらく30年ぐらい

経ってやっと見られると思います。2011年からの彼を映した

記録を提供した人間として、あまりにもこの映画は濃過ぎなんです。」

(横川さん、前述より)

その濃さはみんなに伝わったと思う。

山本太郎さんは7月の参院選で改選を迎える。

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