ヒューマンドラマスペシャル「ニセ医者と呼ばれて」を見た

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9日の木曜日夜9時に日テレ系で放送された
「ヒューマンドラマスペシャル・ニセ医者と呼ばれて」を見た。
沖縄で2008年までいた「医介輔(いかいほ)」の仕事と人生を描いた
作品で、これは見逃せないと思ったからだ。
私が医介輔を知ったのは永六輔さんの本を読んだことからだったが、
戦後アメリカ占領時代の沖縄で医師不足のために、
戦争中に衛生兵を勤めた人を対象に医師の仕事を
限定的にやってもらうための制度だが、
その役を堺雅人さん、その妻を寺島しのぶさんが演じていた。
診療所は1959年頃、すでに完成していた嘉手納基地の近くに
あったがそこに尾野真千子演じる女性が訪れたことから
物語の本筋が始まる。
その女性は夫が留守中にアメリカ兵に強姦されて
妊娠したことがわかっていても、
夫の子なのかアメリカ兵の子だかわからず
堕胎すべきか産むべきか悩んでいるというのだ。
あなたならどう思うかと女性に聞かれた医介輔は、
戦場で多くの死を見てきた者として
堕胎をすることは出来ない。
もしアメリカ兵の子どもが生まれてきたら
出来る限りのことをすると言ったのだ。
そして出産。子どもは望まれない誕生、
望まれない命であることがわかり、
その夫は狂ったあげく失踪、母親となった女性は基地のフェンスで首つり自殺をしてしまった。
自分のやったことが命を奪い、新しい命を狂わせた
ことを悔いた医介輔は仕事を辞めることを妻に告げたが
妻は医介輔はニセ医者と呼ばれることが間違いで、
医介輔でなければ救われなかった命があったことを忘れている。
医師としての仕事を捨てるのならば自分も良妻賢母を辞めると言ったのだ。
大病院の医師からニセモノ呼ばわりされても
地域の人々のために頼りにされ、なくてはならない存在になっていることを
忘れていることを諭されたとき、
自分が頼りにされている命がそこにたくさんいたのだった。
本土復帰が決まった時一度はなくなる制度だったが、
結局残され、2008年に最後の医介輔が引退するまで
沖縄の地域に貢献してきた医介輔の存在は、
沖縄のみならず日本の医療の歴史として
これからも語り伝えなければならない存在だと思う。
ちなみに現在の沖縄でも、医師不足に悩まされている地域が多いそうだ。
この情報を伝えた「ORICON STYLE」

http://www.oricon.co.jp/news/movie/80775/full/
読売テレビHPの予告映像
http://www.ytv.co.jp/niseisha/
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