お気に入りの鉄道写真(1)

昨日買った「FLASH」の記事に、鉄道写真家生涯最高の1枚という記事があった。
鉄道ファンなら知っているカメラマン8人の自薦による写真を紹介しているのだが、
私も大学のサークルが美術系だったので大好きな鉄道写真を撮りまくっていた時期があった。
ということでお気に入りの1枚を紹介。

これは2005年(平成17年)3月末で廃止された日立電鉄茨城県)のモハ9形10である。
1993年(平成5年)にB4判(展示のため)を注文したのでもうかなり昔に撮ったものだ。
なぜこの写真なのかというと、この車両は鮎川―大甕(おおみか・JR常磐線と接続)―常北太田(JR常陸太田に近い)を結ぶ
日立電鉄の主力車両として活躍してきたが、経営合理化とサービス向上のため
営団地下鉄(現・東京メトロ)銀座線の車両に置き換えるとの情報を聞き
「いま行かなければ、もう乗れなくなってしまう。」
ということで、常磐線で大甕まで行きそこから日立電鉄に乗り、鮎川へ。
日立の工場街のなかをゆっくり走って終点に着いたが、どうしてこんな中途半端な所に終着駅をと思ったが
JRの日立多賀駅に近い位置だったので納得した。
日立の貨物専用線だった歴史が残されているというわけだ。
この路線が大甕から常北太田へ向かうと風景がガラリと変わる。
田園風景が広がり、のどかな気分にさせてくれる。
なにしろ電車も猛スピードで走っているわけではない。ゆったりと、そしてダイヤ通りにしっかり運転している。
バスにはない頼もしさをそこに感じた。
常北太田に着いてから水戸駅行きのバスに乗って帰宅したのだが、
果たして車両を一新してこの鉄道が良くなるだろうかと不安になった。
そして不安は現実のものになってしまった。
歴史遺産として残してほしいと思うほどいまや貴重な存在になってしまった。
というよりも今はどこへいっても、この電車は走っていない。