全国の図書館にはそんなに(北朝鮮による)拉致関連本がないの?(安倍国葬の商売広告も)

25日の東京新聞朝刊特報面「本音のコラム」より。

元文科事務次官(現代教育行政研究会代表)の前川喜平さんが

先週(21日)文科省都道府県教育委員会

北朝鮮による拉致関連の本(図書)を

公立や学校図書館に充実させるように

「事務連絡」を出したことを問題視した。

nordot.app

この意見は理解できる。

私も図書館司書を志し、大学で図書館学を選択したことがあったが

不登校になったことがあって断念したことがあったからだ。

確かに、図書館法では第3条に

「図書館奉仕のため、

 土地の事情及び一般公衆の希望に沿い、

 更に学校教育を援助し、

 及び家庭教育の向上に資することとなるように留意し、

 おおむね次に掲げる事項の実施に努めなければならない。」として

郷土資料や地方自治資料などを収集して保存し、(その一より。一部略)

「時事に関する情報及び参考資料を紹介し、及び提供すること。」(その七より)

「社会教育における学習の機会を利用して

 行つた学習の成果を活用して行う教育活動その他の活動の機会を提供し、

 及びその提供を奨励すること。」(その八より)

で、学校、博物館、公民館、研究所等と緊密に連絡して協力することと

定められている。(その九より)

だが、その一方で日本図書館協会による

図書館の自由に関する宣言」(1954年制定・1979年改訂)には

「図書館は、権力の介入または社会的圧力に左右されることなく、

 自らの責任にもとづき、図書館間の相互協力をふくむ図書館の総力をあげて、

 収集した資料と整備された施設を国民の利用に供するものである。」として

「図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。」

と書かれている。

 

前川さんはこの点から事務連絡は図書館の自由を侵すばかりか、

教育基本法十六条にある「教育への不当な支配」に当たると

指摘しているが、

もっと読むと、この一件は政治的な圧力ではなく

「特定失踪者家族会という団体が、

 内閣官房拉致問題対策本部事務局に要請し

 同事務局が文科省と協議した結果

 発出されたらしい」(記事より抜粋)

この点についても

文科省の図書館行政担当者は「図書館の自由」から

「延(ひ)いては知る自由」を侵すものになることを

気づかなかったのだろうと後輩たちの軽率さを批判した。

別に話題を変えるわけではない。

これも25日の同紙と読売新聞で見つけた

「意見広告」とは大ウソの

飛鳥新社(月刊Hanadaの執筆者たちもいるが)の

「商売」のための広告である。

8年8か月の内閣総理大臣を務めながら

拉致被害者をだれも奪還できなかった人物を

国葬」に賛成して深く悼むことが

「民主主義が暴力に屈しないことを示す」という

フェイクニュースをまき散らしているのだが、

それでは、この飛鳥新社を含めて

安倍晋三の応援団たち」は8年以上前から

どれだけの拉致問題に関する図書や資料などを

書いて編集して

出版して販売してきたのだろうか?

いくら政府が「若い人たちのためにもっと拉致関連本を書棚に増やせ!」といっても

じゃあ新しい本はどれだけ市中に流通されているのだろうか?

ほとんどないでしょう!当然です。(公立ならば古い書籍はあるはずだ。)

ヘタにそれをやったら「安倍は無能」だということが

バレてしまうからだ。

それよりも大きな問題がある。

昨今では図書館員の非正規化が進み、

安月給の中で「図書館奉仕」の仕事を強いられているのだ。

この待遇を何とかしてくださいと

ネット署名の活動まで起きているのだ。

 

news.goo.ne.jp

拉致問題について正しく知ることは大事だが

いまの図書館を巡る問題は

それさえままならぬ「現場の事情」を解決しなければならない。

文科省の偉い人はしっかりとそれを忘れているのだ。

利用する人も運営する人も

お上の御都合で自由が奪われるようなことはあってはならない。

どだい今の首相はその家族会側が望む

「一日でも早く日朝首脳会談」をという声を無視している。

そっちの方を何とかすべきではないのか。

また新たにミサイルのようなものを発射されたりしても、

である。

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