石破氏と国葬と「超・安倍晋三」待望の静かな波と

きのう発売の日刊ゲンダイ

見逃すことを許さない記事が2つあった。

まず、自民党石破茂元幹事長の

「イギリスでは女王の国葬でも議会で決議している」と

発言。のちにTBSが「それは違う」と指摘し

本人が訂正して謝罪した問題。

TBSがネタ元にしたのは

上のコラムの筆者、立岩陽一郎氏が編集長を務める

オンラインメディア「インファクト」がイギリス議会に確認したところ

エリザベス女王国葬に関しては議会の議決がなされた事実がなかったということ。

この件に関して「安倍の国葬賛成派」が拡散する一方で

立岩氏には「国葬に反対してたんじゃ?」と疑問の声が届いたそうだ。

しかし、これには続きがあった。

イギリス議会は国葬について

一般的に君主(王または女王)に限られるが、

在位中の君主の命令と、資金を拠出する議会の議決によって

「例外的に著名な人物」にも

「拡大することが出来る」と説明したのだ。

これを日本の安倍晋三に重ねれば

在位中の「天皇」の命令と

資金を拠出する「国会」の議決がなければ

国葬はできないというわけだ。

もちろんそんなことは

日本国憲法のもとで出来るわけがないから

吉田茂元首相の国葬のときは

あらゆる手段を使って「野党」の承認を得る形で

こぎつけたのだが、

今回の国葬はまったく逆のケースで

挙げ句の果てに「国葬ではなく国葬議」という

言い訳にもならないことをやりだした。

これでは「聞く耳を持ってない」どころか

やってることが安倍晋三と同じだ。

なにしろ「閣議決定」だけで決めているわけだから。

同じ日の紙面より。

きのうのTwitterでもタイムラインでたくさん出てきた

東大駒場キャンパスでひらかれたシンポジウム

国葬を考える」。

会場は東大関係者や報道陣のみだったが

ネット配信で3000人超も視聴したそうだ。

記事では片山杜秀・慶応大教授(政治思想史)の発言が

大きく取り上げられた。

それは、「アベの」国葬実施に

ファシズム前夜」の雰囲気を見いだしたという指摘だった。

短くまとめると、

戦後民主主義のもとで天皇の権威が後退し

その権威を奪い返しにいく政治権力としての

国葬」と位置づけ、

国民そのものが「強い将軍」に興味を向け、

いまの支配層がかっては畏れ多いとされていた

国葬がいまでは「(安倍さんなら)当たり前」だと考えている。

これが、ファシズム的愛国運動が誕生し得る段階の

「一里塚」に日本は至っているのだと。

まさにドイツやイタリアで第2次世界大戦で起こったことが

令和の日本で起こってもおかしくないというわけだ。

そして、国葬「不支持」層のなかにも

安倍晋三に仮託したイメージを裏切らない

指導者「超・安倍晋三

の出現を期待を待望する愛国者の声が

「5~10%入っているのではないか」と片山氏。

これは私も納得できた。

たしかにいまの岸田首相はアベ元首相とは真逆のイメージがある。

ネトウヨ層の支持はあまりよくないことは

「月刊WILL」や「月刊Hanada」の新聞広告を見ただけで

よくわかる。

ちなみに別の記事では

毎日新聞世論調査で「総理になってほしい人」を

ひとり挙げてと質問したら

依然として「河野太郎」が1位(642人中87人)で

岸田文雄の続投」が2位(同・66人)

菅義偉前首相」が6位(同・22人)で

なんと!さきほどの石破氏と

橋下徹高市早苗が3位グループに入る

結果(同・30人台)となったのだ。

(蛇足ながられいわ新選組山本太郎代表は21人、

 小泉進次郎はたったの14人だった。)

片山氏の論考はまさに「中らずと雖も遠からず」とも言える。

果たして1年後の政局は

黄金の3年間(岸田内閣にとって)のままか。

それとも静かな波から

大きな「脅威の波」に変わるのか。

国葬の一歩先の

一里塚は「闇だらけ」である。

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