昭和の名作映画「トラック野郎」と原発問題と

最近の映画といえば

「シン・ウルトラマン」とか

東京五輪の記録映画に関わる問題、

そして今年度のカンヌ映画祭受賞作が注目を集めるなど

ohitoritv.com

とにかく話題が尽きないが、

こちらは昭和の40~50年代に

男はつらいよ」と人気を二分した

菅原文太主演の「トラック野郎」について書かせてもらう。

12日にTOKYOMXテレビで見た

シリーズ第5作目の「度胸一番星」のシーンより。

一番星桃次郎(菅原文太)がデコトラで全国各地を走り回り

その土地で出会ったマドンナ(この作品では片平なぎさ)に恋しながら

いつも思いは果たせず、

その一方で数多くの敵役とケンカや競争をしながらも

最後は大ピンチを共に解決していく物語だが

この作品ではあの千葉真一

「北陸のジョーズ」軍団を率いて登場。

上の写真はその千葉演ずるジョーズ

一度は捨てた故郷「角海村」に突然現れ

原子力発電所を建設する作業員や会社の人間と取っ組み合う。

そして村の人間が「これは村会で決めたことだ」と言うと

「その通りよ。だから誰にも手を出させない。

 この村の幕引きはこの俺の手でやってやる!」

そして激しい乱闘の末に

ジョーズは自らのタンク車で「原発反対」の看板ごと

小屋という小屋をぶっ壊す。

そこにやめて!と止めようと夏樹陽子が飛び込むが

それでもなお走って壊し続けた。

しかもこのジョーズ軍団は

炭田があった筑豊(福岡県)や四国のダムに沈んだ村や

沖縄(当然米軍基地)や岩手(ニッポンのチベットだってよ!)の

生まれ故郷の人間を集めていた。

しかし桃次郎は「おまえたちは故郷がほしいんだろう。

ほしければ勝手につくればいいじゃないか。」と啖呵を切って

1対1の喧嘩シーンが派手に行われるのだが

「こんなニッポンに誰がしたんだよ!」と叫ぶ

軍団の子分のこのセリフは

いまの日本映画では決して作ることのできないものがある。

ちなみに初回上映は1977年(昭和52)。

柏崎刈羽原子力発電所の1号機の着工は

1978年(同53)年12月というから(ウイキペディア参照)

おそらくこの建設にかかわる問題を

新潟県を舞台にするということで取り上げたのかもしれない。

(桃次郎のセリフに「あいつ、真野だったのか」と

 ジョーズ佐渡島の出身だということを明らかにするシーンがあったが

 これはフィクションだから出来たことだと思う。)

いまや「脱原発」「反原発」どころか

原発」そのものを映画にすることが出来ない時代だ。

もちろん、福島第一原発事故以降に

その問題を取り上げた作品はつくられてはいるが

「トラック野郎」のように

全国ロードショーの大作に「原発」「原発反対」を入れることを

映画界は「自粛」しているように見える。

そういう意味では

昔は映画に自由な空気があった時代があったということだが、

果たしてこれからの日本は

この自由が縛られ放題になるのか。

それとも解放することが出来るのか。

参議院選挙は22日告示、来月10日投開票日である。

 

ところで、山本太郎さんと水道橋博士さんは

トラック野郎のこのシーンを知ってるかな?

cinema-rank.net

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