刑法改正で注目しなければならないこと(とくに侮辱罪!)

きのうの参議院本会議で

侮辱罪の刑罰を引き上げた

刑法改正案が通過した。

また「懲役」「禁固」を「拘禁」刑に一元化する改正案も

通過し、公布から3年以内に施行されることになった。

(こちらはまた後日のブログで。)

www.tokyo-np.co.jp

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さて、侮辱罪の厳罰化で注目されるのは

「政治家が積極的にこれを使うか?

 その第1号は誰になるのか?」

これじゃないのか。

もともと今回の改正のきっかけは

プロレスラーの木村花さんに対する

SNS上の誹謗中傷がきっかけとなり

お母さんの響子さんが各方面に働きかけた結果が

実を結んだのだが、

www.tokyo-np.co.jp

問題は侮辱罪で訴えるまでの

手続きである。

10月には改正プロパイダ責任制限法が施行されて

「1度の申し立てで裁判所が投稿者の情報を開示するよう

 事業者に命令を出せるようになる」が、

情報が開示された後に

複数の投稿者全員を侮辱罪で訴えるとなると

この手続きの煩雑さが被害者側に

「重い負担」になってしまうことが避けられない。

(情報開示請求の費用が高額で、

 訴訟上の慰謝料の相場は数十万円と低いことも問題。)

しかし、これらを簡単にクリアできる存在がいる。

それが「政治家」という職業の人だ。

だから立憲民主党などの野党は

言論の自由を萎縮するとしてきのうの採決に反対したが、

(国民民主・日本維新の会は賛成)

これを使いたくてウズウズしている輩が

永田町にたくさんいるかもしれないのだ。

 

もちろん、響子さんなどは

「成立して終わりではなく、ここからが始まり」。

また、池袋の自家用車暴走事件遺族の松永拓也さんは

「批判と誹謗中傷の境目は曖昧に感じる。

 表現の自由を守るためにもガイドラインの策定が急務だ」と

記者会見でコメントしている。

自分の保身しか考えない人間のためにではなく、

本当に心身ともに傷ついた人々の救済のために

プロパイダの管理のあり方など

変えなければいけないことがあるのだ。

そして私達がSNSを使うまえに、

自分自身を客観視した上で書き込みをすることで

無用に第三者を誹謗中傷しないことは

絶対にできるはずなのだ。

 

「一人一人のモラルが問われている。

 厳罰化が悪用されることがあれば声を上げていきたい。」

 

 響子さんのコメントより。

 

www3.nhk.or.jp