311子ども甲状腺がん裁判はじまる(福島第一原発事故)

5日に参加した福島第一原発事故に関する集会でも

この関係のビラが配られた。

事故当時6歳から16歳の男女6人が

東京電力(東電)に慰謝料など

総額6億1600万円の損害賠償を求めて

東京地方裁判所(地裁)に提訴した件である。

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6人の原告のうちの1人の訴えを

1月28日付の東京新聞社会面が詳細に取り上げた。

ちひろさん、26歳の女性。

都内で事務の仕事をしているが

2015年に甲状腺がんと告知された。

まだ大学1年生だった。

翌年に甲状腺の片側を切除する手術を受けた後

体力が極端に落ち、体調不良が続き

卒業後に就職した広告代理店を1年半で退職している。

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「何も聞いていないのに、『原発事故とは因果関係がありません』と言われ、

 辛い気持ちになりました。この裁判で原因を明らかにし、

 現状を少しでも変えられたらなと思います。」(ビラより抜粋)

ちひろさんは福島県中通りの出身。

あの事故の後の2011年3月14日、

半壊した祖父母の家の荷物の運び出しを

外で手伝っていたそうだ。

「あの時、引っ越しを手伝わせなければ。」

病院からの帰宅途中、お母さんがこうひと言漏らしていた。

この時だけちひろさんに後悔を見せたのだと。

福島の病院で前述通りの告知をうけたあと、

手術やその後の検査は東京の病院で受け続けていた。

保険で出る医療費は県が全額支援するが

交通費は含まれない。また首の傷を小さくなるように受けた

内視鏡の手術費も県の支援対象外で自費だった。

医療費の支援については国の補助金を原資にして

県はなるべく長く続けるとしているが

「いつまで続くか分からない」。

だから今後も再発におびえることがないように

いま以上の支援拡充を求めている。

 

ちひろさんも他の5人も

甲状腺がんに罹ったことは誰にも言えなかった。

この10年はそれが大きな苦しみだった。

成人しても裁判で顔と本名を明かすことが出来ないのは

なぜ、自分はこんな体になったのかがわからないまま

他人に理解してもらうことの難しさを知り尽くしているからだ。

国と東電はあくまでも事故と甲状腺がんの因果関係はないと

押し切るようだが、

では本当の原因はどこにあるのか?

是非とも法廷で6人にきちんと説明すべきだ。

それが出来なければただちに謝罪すべきである。

6人だけではない、

事故の後で同じ甲状腺がんになった

約300人の「ふくしまの子どもたち」のためにも。

www.tokyo-np.co.jp

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