いつの間にか 鉛筆が「HB」から「B」の時代に

夏のある日に下書きしたまま

公開するタイミングを逃した

この書き込みを。2021年が終わるまえに。

 

「読者の皆様は小学生の頃、

 鉛筆はどのくらいの濃さの芯を使っていただろう」

週刊朝日の8月20・27号の

内館牧子さんの「暖簾にひじ鉄」はこの書き出しだった。

私はHBだった。

というより学校どころか日常で

鉛筆やシャープペンシル(シャーペン)の芯はHBが当たり前で

絵の下書きやデッサンの時には

たまに4Bを使うくらいのものだった。

内館さんも学校でHB使用と決められたと思うと書いていた。

 

ところが5月16日の秋田魁新報の記事では

いまの小学生は2Bの使用が多くなっていると。

 

これを読んでなるほどと思った。

実は私の職場では鉛筆はBを使っている。

また以前買った投稿マンガ雑誌には

会社で発注書や日誌を書く時に、

芯の節約のためにシャーペンの筆圧を弱くして書いていて

弱くても線が薄くならないように2Bを使っている人のがあった。

その人によると同僚はHBやHを使っていて

「2Bなんて大人は使わないよね」という声があったが

筆圧強くて芯が折れるよりはいいと思いますがと反論。

そのマンガの作者もなんと

「2B使ってますよー」と。

いやはや時代の変化は知らない所で起きているものだ。

まさに驚嘆だ。

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内館さんの文に戻ると

2019年の大手鉛筆メーカーの調べで

児童向けの70%が2Bで

B・4B・6Bと後に続き

HBはなんと5%!

さらに一般向けの傾向も調べたら

20年前はHBがトップだったが

10年前に2Bがその座を奪ったのだと!

私の10年前といえば、

雇用保険関係の職業訓練

パソコンを本格的に操作し始めて

鉛筆で文章を書くことが日常からなくなってきた

その時期と重なる。

まさにこれが盲点なのかもしれない。

企業活動でも鉛筆の芯のあり方が

大きく「改革」されたということか?

 

学校側がなぜ2Bを勧めるのかというと

前述のマンガの通り

「筆圧が弱くても線をはっきり書ける」こと、

さらに硬い芯で書くと

間違った時に消しにくい、

消しゴムで強くこすって紙が破れれば

誰でも書く意欲が低下する。

字を覚え始めた児童がそうならないように

配慮しているからだと。

内館さんも私も

「ここまで配慮してくれる時代なんだなァ」

とこれまた驚き。

なにしろこちらは学校で

字はしっかりときちんとした書き順で正確に書くこと。

そうすることで正しい文章を体で覚えることが出来る、

覚えたことは決して忘れることはないと

口を酸っぱくして先生に言われ続けた。

鉛筆を書くには筆圧を強くするのは

当たり前になったのだ。

それがいまでは

筆圧は弱くてもいい、

間違ったらすぐ消せるようにできればいいんだよと。

こうなればBより濃い芯のほうが楽だし

芯が折れることによる無駄がない。

内館さんも中学時代は5H(たぶん製図用だと思う)を使っていたそうだが

いまでは執筆中は6Bを使っているそうだ。

 

それにしても

教育もデジタル化が進む中で

鉛筆の芯の選択までも変えてしまうなんて

信じられないことだ。

「書く」ということが

生活の手段として必要不可欠だった時代が終わり、

別な意味で書くことを教わる時代になったといえるが

私は夜間中学に関心を持っていたことを思い出す。

ここではパソコンは一切なくて

みんなが鉛筆で字を書くことから

学ぶことを初めている。

その鉛筆の芯はやはりHBではなくBより濃いのだろうか。

そのことを知っていれば

関係者の方々に直接聞くことが出来たのに、

また会える機会があったら

ぜひ質問したい。

 

やっぱり鉛筆で字を書くことから

「生きる」という出発点に

なるのだから。

 

勉強しやすい鉛筆の濃さは?鉛筆の種類と選び方 | 宇都宮の個別指導塾優希WIN (yuki-win.com)

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