いまのコロナ禍とそっくり!原爆をテーマにした「あるマンガ」

(おとといのブログの続きです)

去年のこのブログで「漫画が語る戦争 焦土の鎮魂歌」の

作品を紹介したが、

きのうは広島の原爆忌 もうひとつの「はだしのゲン」 - shiraike’s blog (hatenablog.com)

ことしも別の作品を紹介したい。

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曽根富美子

ヒロシマのおばちゃん」。

まんが王国 『特装版「女が叫ぶとき~戦争という地獄を見た~」』 曽根富美子 無料で漫画(コミック)を試し読み[巻] (k-manga.jp)

こどものころからその容姿ゆえに

「おばちゃん」と呼ばれた少女。

17で結核になり長いこと入院している間に

23歳になり「行き遅れ」と呼ばれ

戦争の影響で食べ物が手に入らないことで

家族や親族が病院に来なくなり

他の患者からも冷たい目線で見られるようになった。

まさにコロナ肺炎になったら

俗世間から完全に隔離されてしまう

2021年と同じような状況で、

主人公は絶望の中でも

「食欲」だけが失われなかったのだ。

 

その中でも生きることをあきらめないように諭す

医師に励まされて貴重なドロップをもらうこともあった。

初めて「おばちゃん」が恋をしたのだ。しかし、

その医師が地下の貯蔵庫で生米をむさぼるところを見た時、

彼女は大きな衝撃を受け

そしてこの医師から「豚ァ!」と殴られた。

もっとも、その後「おばちゃん」はその残りの生米をかじり貪った。

食欲はまさに今で言う「摂食障害」そのものだった。

 

8月6日、空襲警報が朝から鳴っても

「おばちゃん」は貯蔵庫へ。防空壕に入らなかった。

しかしそれが運命を分けた。

避難した患者と医師などの職員たちはみな

原爆にやられた。あの医師は窓ガラスが全身に突き刺さり絶命した。

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「おばちゃん」は家族のいる家まで歩き

弟と妹、母を見つけるは

一番下の妹と軍需工場に行っていた父は遺体で再会。

母は手当てが出来ずに死んだ。

そして、家族たちは荼毘にふされる中で

決意した。

父ちゃんと母ちゃんの供養のためにとっておいた

サツマイモを弟から受け取って。

 

「時が過ぎるのは なんてはやいのだろう

 あの何十万の人間が何かの物のように切れ切れにされたー

 いつかこの出来事が

 教科書の中のたった数行にしかならなくなったら

 おばちゃん どうしよう

 まるで昨日の出来事のように

 当時 広島にいて

 あの斬劇を目にした者は

 最後の息をひきとる

 その瞬間まで あの日の光景を

 忘れることはないだろう

 

 ああ あれは

 あれは地獄だったよ」

 

自分は生きている資格がないと思い込んでいた

あの時の「おばちゃん」は

原爆という悪魔の所業の中で

生きていくことを決めた。

それは義務ではない。

自分を愛してくれた全てを奪った原爆を

再び人間の手で使わせないために、

その理由とは何かを次の世代、さらにその次の世代に

知ってもらいたいために。

 

そしていま、コロナ禍で死者が続出して

国の無策で助かるはずの命が

多数失われようとしている。

原爆の悲劇とコロナの悲劇が二重に重なる日も

日本で起こりうるかもしれない。

76回目の広島の原爆忌

未来に、そしていまの世界中で起きている

すべての悲劇を止めるための

誓いの日にすべきだ。

もちろん9日も同じだが。

広島原爆の日の五輪、黙祷求める署名をIOCに送付「自ら首を絞めている」と前広島市長(ハフポスト日本版) - Yahoo!ニュース

キャンペーン · 8月6日8時15分、オリンピック会場で黙祷を! · Change.org