東日本大震災慰霊の立木観音(流山市)

1日の東京新聞千葉面で

東日本大震災慰霊のための立木観音を

彫っているお寺が

流山市の市野谷にあることを知った。

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10日まで公開しているとのことなので

早速行ってきた。

つくばエクスプレス流山セントラルパーク駅を降りて

携帯のナビに沿って行ってみると

区画整理が進んでいて

広い道路に一軒家が立ち並んでいて

大型スーパーやパティスリーなどが建っている一角に

円東寺があった。

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その立木観音像は近くで見ると

その大きさは物凄かった。

まさに多くの顔を自分たちを見下ろしているようだった。

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他に来ていた人とずっと見ていると

住職の増田俊康さんが

「どうぞどうぞ中に入って見てください。

下のトンネルにも入ってください。」と声をかけてくれたので

くぐり抜けてみた。

さすがに低いのでしょっていたリュックサックをおろしたが

そこには自然と一体になった感覚があった。

よくここまで掘ったもんだなと感じた。

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その後に住職の話を聞くと

震災で犠牲にあったさまざまな人々の表情を残したい

怒り、悲しみ、喜びなど。

その全てを残したいことから十一面観音を掘ることに決めたのだと。

区画整理で本来なら根っこごと掘り起こされておしまいになるところが

残されることになったことから

仏像彫刻師の畠山誠之さんとともに

このプロジェクトを立ち上げたというわけだ。

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(彫られた表面は木の色が出てくるが

 雨に濡れると黒く変色するとのこと。)

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この観音像はなんとクラウドファンディングによって

資金が集められたそうだ。

(記事によれば1700万円。)

これはまったく知らなかった。

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(仏像を彫る畠山誠之さん。)

そして柏市吉祥院でも

立木観音をつくっているという話を聞いたので

昼食後にさっそく行ってみた。

同じつくばエクスプレス柏たなか駅から降りて

携帯のナビに頼って10数分歩いて

たどり着いた。

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こちらも枯れて折れて崩落する恐れのある

ケヤキの木を薬師観音にする計画を

一昨年の12月に立ち上げられて

以来コツコツとここまで彫り上げてきた。

畠山はここで仏像彫刻教室をやっていて

工房は流山市江戸川台にあることから

円東寺の建立も引き受けることになり

まずここを完成させてから

吉祥院にもどるそうだという話も聞いている。

計画が進めば

来年春にお堂が完成して

コロナ禍が収まったら新しいお堂の御祝を兼ねて

稚児行列を行いたいと言っていた。

吉祥院の薬師観音は

アマエビとおなじ厄災を静める祈りの像であると。

 

ちなみに現場にはこの言葉があった。

流山にも柏にも。

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「神は完成を急がない。

 明日はもっといい仕事をしよう。」(ガウディ)

「愚公 山を移す」

(中国のことわざ・ガウディの言葉と同じ意味。)

焦ることなく

祈りをこめて彫る。

 

こちらも何か平穏を取り戻した思いになった。

 

東日本震災の犠牲者鎮魂 立木観音 流山の円東寺で10日まで公開:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

真言宗豊山派円東寺のホームページ | お寺は生きているうちに行くところです (gozaru.jp)

吉祥院 – 柏市観光協会 (kashiwa-cci.or.jp)