建設アスベスト訴訟 その長き勝利への道まで

先月19日の誕生日。

休日をとって切手整理ボランティアを午後からやって

その帰り道。松戸駅

ティッシュを配りながら

街宣活動をしていたのを見て

自然にこちらから静かに近づいた。

そしていただいたのは下の写真のものだった。

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建設アスベスト訴訟で、

最高裁が原告側の訴えを認めて

国とアスベストを製造・販売した企業に

賠償をせよとする判決を下したのだ。

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アスベストに関する訴訟は

全国各地で行われているが、

17日に最高裁で上告審の判決が出た訴訟は

一人親方」と言われる

建設現場の零細・非正規・未組織労働者が

アスベストによる健康被害(がん・中皮腫など)を負った時に

直接賠償請求できるのかが争点とされていた。

 

本当なら被害があったのを確認した時点で

速やかに賠償されてしかるべきなのに

それが確認されていないという理由で

地裁(一審)で原告勝訴が出ても

高裁(二審)で覆されることが多かった。

それが2018年、東京訴訟の東京高裁判決で

やっと、「快適な職場環境」を作るという

労働安全衛生法の趣旨をふまえ、

保護の必要性の高さから労災保険に特別加入できる

一人親方と中小事業主も救済対象となり、

17日の上告審での敗訴を受けて

国は最大2600万円までの和解金を出すという

動きまで出た。

大きなヤマがやっとのことで動いた瞬間だった。

 

 

最初の訴訟を起こしてから

実に13年。アスベストの有害性が問題になってから

なんと40年も経ってのこと。

その間に原告団に参加した人が

どれだけ中皮腫やガンでこの世を去ったか、

一人や二人では済まない数字になる。

 

テレビのドキュメンタリーで何度も見た。

アスベストの被害は

造られた工場の中だけでなく

周辺の住民やその建物の中で働き続けた人など。

いまだに数字の中に出てこない人が多い。

今回は建設労働者が対象になったが

それ以外にも賠償しなければならない人が

掘り起こせばたくさんいるはずだ。

 

言い訳は許されない。

速やかに和解を実現させて

実質的な補償を行ってほしい。

過ぎ去った時間はもとに戻らないのだから。

 

国と企業の賠償責任認める アスベスト訴訟で最高裁判決:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

首相 アスベスト訴訟原告団らに謝罪「真摯に反省心よりお詫び」 - YouTube