豪雨と突風の旅 いわき・小高・楢葉木戸(4)

(きのうのブログのつづき)

いわき震災伝承みらい館で、

佐藤トミ子さんの語り部を聞き終えて

館内の展示を見る前に

一つの絵画を目にした。

企画展「姫花ちゃんのハンカチ」だった。

 

震災の2年前に塩屋埼灯台の絵を描いた

鈴木姫花さんは将来デザイナーになる夢を持っていた。

しかし2011年3月11日、

豊間小学校にいた時に被災し、帰らぬ人となった。

当時4年生。

その後お父さんが姫花さんが「生きていた証」を残すために

そしてデザイナーになる夢をかなえてあげたいという思いで

あの灯台の絵をハンカチにしたのだ。

そしてこのハンカチはたくさんの人々に渡って

語らない「語り部」になっている。

 

この展示は21日まで行われていて

実は私が行ってきた13日、

しかもここに着いた時間から

父親の鈴木貴さんが2回目の記念講話を

多目的学習室でやっていたのだ。

(1回目は1月23日、企画展の開催初日に行われた。)

もっとも事前予約制のために

聞くことができなかったのは残念だった。

しかし、展示の中にあった姫花さんの笑顔の写真、

絵に関する表彰、そして柔らかいタッチで描かれた絵。

どうしてこんな未来の夢を持った女の子が

津波に飲み込まれなければいけないのか。

無念と悔しさと悲しさが込み上げてくる。

だからこそ多くの人々に

姫花さんがいたことを知ってほしい、

本当にそういう気持ちになる。

(写真を撮るのは遠慮しました。)

「姫花ちゃんのハンカチ」企画展示の開催について | いわき震災伝承みらい館 (memorial-iwaki.com)

さて、展示へ。

東京新聞の特集記事で初めて知った

豊間中学校で水没した

「奇跡のピアノ」が展示室の真ん中にあった。

(これも写真を撮り損ねました。ごめんなさい!)

弾くことはできないが

見ることが出来て良かった。

調律師の遠藤洋さんの手で蘇生され、

さらに沖縄で昨年1月におこなわれたコンサートで

初めて出会ったKiroro金城綾乃さんが

このピアノのための曲をつくり

それを聞いたのは14日の夜。

13日の深夜に放送された

「朝まで生でさだまさしスペシャル」だった。

 

命をつなげる思いはみんな一緒。

だから自分たちの出来ることで

その記憶を伝えたい、これも同じだ。

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語り部の部屋にあった豊間地区の移り変わり。

 防災緑地が整備され、区画整理を進め住民の帰還が出来るようにしている。)

津波にのまれ復活したピアノ・卒業式で歌われたKiroroの曲、それを知った金城綾乃は思わず… (msn.com)

<ふくしまの10年・もう一度 弾きたい>(4)調律師の優しい音:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)