原発事故直後の甲状腺被ばく測定「サボり」を許すな!

3月11日まであと少しになったが、

福島第一原発事故の件で忘れてはいけないことがある。

事故直後に避難した人たちの

甲状腺被ばく測定。

たった1080人しかやらなかった。

この許されない「事実」である。

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しかし、3月1日の東京新聞こちら特報部」を読んだら

これが反省材料になっていないことを伝えている。

どういうことかというと

先月行われた原子力規制委員会(規制委)の

「緊急時の甲状腺被ばく線量モニタリングに関する

 検討チーム」の会合で、

原子力規制庁が出した事務局案が

たった20分の議論で採用が決まったことだった。

 

その内容とは、

事実上「空間線量が毎時20μ㏜」の地域から

避難した人「だけ」を測定の対象にするということだ。

つまり、それ以外の避難者(特に原発から5km未満)および自宅にいた人は

「測定しません」ということだ。

しかも「毎時20μ㏜」についても

必ず「避難」や「測定」ではなく

国の指針として事故直後に

数値が急上昇した時ではなく、

しばらくしてからの値を規制委が判断してからというわけなので

後で「この場所でも事故直後に毎時20μ㏜に達した」といっても

規制委が認めないかぎりモニタリングの対象外になる。

おまけに対象となる避難者について

「19歳未満と妊婦」に限定した。

発がん性のリスクが高いからという理由だが、

すでに「東北とその他の地域と比較しても

子どもの発がんリスクはそう変わらない」という

根拠のない仮説を振りまく専門家が多数(政治家も)いることから

これを悪用して

「福島レベルの事故では甲状腺被ばくのリスクは少ない」

ことを意図的に仕立て上げようとする魂胆は

見え見えだ。

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上の写真の記事にも書いてあるように

放射性ヨウ素は呼吸だけでなく

食品中にたまったのを摂取することによって

甲状腺にたまることもある。

だから空間線量が低い地域でも

事故を起こした原発に近いところなら

発がん性リスクが高くなる場合もある。

だから本当は、事故直後に

原発から20km圏内に住んでいるかまたは

その場にいた人はすべて測定すべきである。

 

しかし、

この事務局案が新しいガイドラインになれば

「対象外になる人ばかり。実際に測定を受ける人は

 ごくわずかになるのではないか。」

(避難計画を案ずる関西連絡会・島田清子さんのコメント)

私もそう思う。

 

それにしても国の甲状腺被ばく測定の考え方は

コロナウイルス騒動初期のころとそっくりだ。

岡田晴恵氏ではないが、

あの時もPCR検査はできないとか言って

本当なら出来るわけのない

クラスター潰し」に執着した結果、

1年経ったいまでも終息にメドがたたない。

大量の陽性反応が出て大パニックを恐れたようだが

やっぱり福島の反省が生かされなかったことが

「コロナ禍」という人災を招いたといえる。

正確でかつ漏れのない測定(検査)をきちんとやって

それに基づいた分析を行ってこそ

事態を早期に終息させることができるし

最もベストな解決策がとれるはずだ。

そして全国民に不安やパニックから

救うことが出来る。

それをやろうとしないのなら

いまの政治に信頼や信用がなくなるのも

当たり前である。

そしてここから

福島第一原発事故の記憶が

ほんとうに風化されてしまうかもしれない。

しかし国や東京電力にとっては

いいことなのかもしれない。

そんな本音を見た感じだ。

福島 「背信の果て」の被ばく隠ぺいを許すな - shiraike’s blog (hatenablog.com)

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