終えて、昼食をとった後
ふと思いついて
北小金にある
東日本大震災復興支援松戸・東北交流プロジェクト
「黄色いハンカチ」のカフェ散歩びよりに
足を向けた。
この日は、
13時半から講座「防災井戸端会議」の日だった。
事前予約はしていなかったのだが
参加させてもらった。300円で。
まずプロジェクトの共同代表の一人
門間正純さん(上の写真右の人)のお話から。
福島県生協連・佐藤一夫専務理事の
「東日本・津波・原発事故大震災からまもなく9年」(今年2月に講演)の
中身に基づくもので
テーマは風評被害に関する問題だ。
まず、福島県産農作物の取扱量は
モモが震災の年から2017年まで
増加傾向にあり、リンゴ、ナシ、あんぽ柿がこれに続き
一方でシイタケ、さやいんげん、アスパラガス、
なめこ、きゅうりが減少傾向にあるとの
首都圏の仲卸業者のアンケート結果でわかった。
しかし、全国平均の価格差でみると
モモは2011年からマイナス40%から
2017年時点でもマイナス23.3%と
苦戦が目立ち、逆にきゅうりは
2011年はマイナスだったのが
2017年はプラス6.6%と大健闘しているのだ。
なぜそうなるのか。
風評をなくすために
消費者に直接安全をPRしてきた
「働きかけ」のあり方はそれなりに
成果がでているが、
流通の実態に問題があるのではないかと。
たとえばコメ・野菜などは
小売りよりもむしろ外食産業の
需要が多く、そちらに卸したほうが
安定した商売が成り立つが、
その分卸値で「安く買いたたかれる」と
いうことになる。
これでは質の良い農産物をたくさん作っても
農家の負担が増えていくばかりだ。
実際に県産農作物を
「安心して食べられる」かの印象調査の結果を見ると
福島県内では約8割が「安心(そう思う・ややそう思うを足して)」、
首都圏でも約5割以上がそう答えたのに対して
「不安(安心と同じ)」であると答えていて
全国的には風評被害が払拭されていない現実が
浮き彫りになっている。
このような現状の中で
福島第一原子力発電所から出ている
汚染水の海洋流出が大きな問題になっている。
菅内閣になってから
このやり方で行くとまっしぐらになっていて
これに地元の漁業関係者は反発しているが
実は農業の関係者のほうが
強く反対していると
門間さんの後にお話をした田島直樹さん。
(写真上)
大量の汚染水を流すことで
海水で薄められるかがわからない不安もあるが
それ以上に海産物だけでなく
農産物にも「風評被害」が
ぶり返す恐れがあるためだ。
実は2019年に
東大・福島大の共同調査で
「福島産農産物は不安と回答した人の割合」で
周辺などの各国を比較すると
日本は30.3%でアメリカ・イギリス・フランスも
約30%台にあるのに対して
韓国が69.3%、中国は66.3%
そして台湾は81%の結果が出ているのだ。
「この3つの国(地域)はコロナウイルスの時に
強力な封じ込めを国家を挙げてやって
拡大を封じ込めた。
その共通点があるんですね。」(田島さん)
コロナと放射性物質、
その対策による安全と安心の確保と
その信頼の確立。
まだまだ完璧とは言い切れないからこそ
記憶を風化させず(コロナはまだそんなことはないが)
事実を直視して考えていかなければいけない。
勉強させていただきました。