今年の7月に大規模な豪雨被害に見舞われた
これからの治水対策をどうするかという
流域市町村の間で行われている。
その中で議論の一つに挙げられている
川辺川ダム(建設中止)の是非の問題。
国側はいち早く今回の水害において
「あのダムがあれば被害の6割が食い止められた」という
検討報告を発表している。
これに対してダム建設に反対し続けた
地元住民からは
「地域の声を無視して議論をしないでほしい」と
反発の声が出てきた。
果たしてこれからどのような結論を出すのか。
他県の人間だがとても気になっていた。
きのう、国と県と流域市町村で構成された
協議会が初めての会合を行った。
そこで飛び出したのが
「ダムだけに頼らない、地域全体で取り組む」
新しい「流域治水」の取り組みを推進するという
結論だった。
しかし、川辺川ダムについては
蒲島郁夫知事は年内にも建設の是非について
結論を出すとして、
ひょっとしたら建設の推進を打ち出すかもいった
態度を示している。
その前日には蒲島知事が
くまもと復旧・復興有識者会議
(座長、五百旗頭[いおきべ]真・兵庫県立大理事長)から
提出された提言書を受け取っていて
そこでも「7月豪雨からの創造的復興」が
題名になっていた。
ダムを造るだけではなく、
気候変動による降雨量の増加を考慮して、
水田や校庭の貯水や高台移転で
氾濫水量と治水範囲を縮めるという
提言や(国土交通省側の意見)
早期避難のあり方など
ハード面だけでなくソフト面からの
安全性の追求も行うべきなど
様々の方向性からの意見が出ている。
それは良いことだとしても
結果的に国がその予算の大半を出すとなれば
「始めにダムありき」が
地域に押し付けられることに
なりはしないだろうか?
治水には堤防の改修など
やらなければいけない工事もある。
鉄道・道路のインフラ整備も
復興には優先的に対応しなければいけない。
しかし、いまの熊本は
その肝心かなめといえることが
「スピード感」ならぬ
本当のスピードでやっているのかが
いま一つ見えてこない。
「NNNドキュメント」でも見たが、
3か月たっても瓦礫を片づけることが
出来ない集落もある。
コロナ禍で災害ボランティアが思うように
集まらないこともあるが、
行政がしっかりと原状回復に取り組まないと
創造性ある「復興」は
「絵に描いた餅」で終わってしまうことに
なり兼ねない。
「被災者」と読むところを
「被害者」と言い間違えたそうだ。
果たして総理の眼には、
いまの「被災地」の姿が
見えているだろうか。
「それは問題に当たらない」では
済むことではありませんよ。