もう無人駅を増やすのはやめてくれ!

「JR九州が業務効率化などを理由に

 駅を無人化したことについて、

 車いすを利用する大分市内の3人が(先月の)23日、

 憲法などが保障する移動の自由を制限されて

 苦痛を受けたなどとして、

 同社を相手に1人あたり11万円の損害賠償を求めて

 大分地裁に提訴した。

 原告側代理人によると、

 無人駅をめぐって障害者が権利侵害を訴えて提訴したのは全国で初めて。」

この件を今週の新聞報道で初めて見たが(カッコ内は朝日新聞を抜粋)、

正直いって、

無人駅をなぜこんなに増やしていくのかが

わからない。

f:id:shiraike:20200926205135j:plain

f:id:shiraike:20200926205218j:plain

(写真は26日付の東京新聞こちら特報部」より)

九州となれば

いかにも利用者が少ないようだから、

無人駅が多くなっても仕方がないと思う人が多いかもしれない。

だが、いまでは大都市に近く、

乗降客がそこそこに多い駅でも

無人化が多くなっているのだ。

例えば駅員のいる時間帯を

乗客が多い時間帯のみにして

早朝深夜を「無人」にしたり、

終日、窓口業務を廃止したりする駅を

JRを含む全ての鉄道会社で

推し進めているのだ。

要するに主要駅からリモートで監視の目が

あれば、特別なことがない限り

駅員がいなくても困らないだろうという

考えがあり、

駅員を減らすことで

鉄道事業の合理化・効率化が図れば

それでいいだろうという論理だ。

 

しかし、今回の大分市からの訴えは

無人駅はバリアフリー社会の

大きな壁になっているという

ことを強調している。

 

目の不自由な人は

杖を頼りにホームを進むが

それでも転落する人が多い。

一部の駅にあるホームドアがない限り

それが止められないのに

鉄道会社は乗客が多い路線ではない限り

導入しようとしない。

車椅子の人は

無人駅どころか駅員配置駅でも

「事前に予約してください」と。

これが憲法の保障する

移動の自由に反するやり方だと。

その通りだ。

 

考えてみてください。

本当なら

いまは東京オリンピックパラリンピック

終わっていたはずである。

競技をする選手と関係者の中には

障がいを抱えている人もたくさんいるはずだ。

東京だけバリアフリーにすれば

それでいいだろうか?

決してそれは許されないはずだ。

まして、五輪効果で

外国人観光客が多くなることを

期待していたはずだ。

そのなかには

障がいを抱えている人も多く

来日するはずだったはず。

もしもその方々が

日本の鉄道の駅が

無人だらけで

安全に不安があって、

おまけに他人が困っていても

助ける余裕がないんじゃ

日本のイメージが悪くなるのは必至だ。

 

こういうのを「ホスピタリティ」を向上させると

いうのだが、

これは五輪直前になって

すぐには出来ないことである。

弱者の声を聴くことは

福祉のみならず、

地域の活性化につながることであるし、

菅内閣の目指す道にかなうことでは

ないだろうか?

 

駅員さんの存在は

鉄道を利用するものにとって

決して軽くはないのである。

この裁判が原告側の思いにかなうものに

なってほしいと願っている。

www.asahi.com