NHK「ストーリーズ 新宿ダイアリー」見ました!

しまった!

見逃していた。

「ラスト・トーキョー“はぐれ者”たちの新宿・歌舞伎町」の

続編が先月8日の総合(NHK-G)テレビでやっていたのを

チェックしなかった。

後になって放送していたことを

東京新聞」で知った時、

もう再放送で見れないかなと思っていた。

 

だから11日の土曜日、

NHK-BS1で放送してくれたのには

ありがたかった。

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取材ディレクターの家族、

特に麻雀店を経営している母親の姿を

詳しく取り上げているのは

前作のつづきだが、

副題が「母とコロナの4か月」。

そう、店がコロナ・パニックと同時に

2月中旬から客足が少なくなって

開店休業の状態になった。

パチンコ・風俗と同じように

雀荘も「三密」に該当するという

行政側のレッテル貼りがあったからだ。

それでは店を休んで補償が得られるか。

それもダメ。「雇用調整助成金」の対象から

「風俗産業だから」という理由で外れてしまったのだ。

(その後に東京都の感染拡大防止協力金に申請する。)

普段は決して弱音を吐くことがなかった

母・柚木佳江さん(72歳)。

初めて娘・史絵さんの前で

本音をつぶやいた。

そして緊急事態宣言が出る前から

経営している3店のうち、

「麻雀倶楽部 高尾」を閉じることを考えた。

そして従業員に解雇はするが

休業期間(5月20日まで)の給与を支払うことと、

今後の生活設計について

相談に応じることを約束した。

映像では40年以上も働いた

79歳の従業員が

雇用保険の申請書類をもらおうとしたら

1000人以上も詰めかけて

大変な状態だったと

佳江さんやカメラの前で話した。

まさに雇用で大きな打撃を受けていることが

わかっていながら、

当事者の声を聞かなければ

実感できないというもどかしさを感じた。

5月10日、従業員だけを集めて

給与の明細書と雇用保険に関する証明をみんなに渡し

マスクをつけながら

記念写真を撮り

常連客との挨拶が出来ないまま

お別れに。

自分の力だけではどうにもならないことに

すすり泣いた。

 

それでも、20日の解体の日に、

「自分の手で作ったものが

 自分の手で壊せるっていうのは

 ある意味で幸せなのかもしれないですね。」

誰にも迷惑をかけずに最後まで

店を閉じることが出来たのは

自己満足だが、

誰かに繋ぐことが出来ると思うと。

新宿は絶えず変化を続けて

都市としてさらなる進化を続けるのなら

自分の後に必ず夢と希望を叶える

誰かが新しい器に収まってくれることを

この苦しい中でも願っていた。

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「目に見えない大きな力に生かされている」

これが新宿に多くの人たちを引き付けるものだろうか。

それがコロナウイルスで消えてしまうのだろうか。

佳江さんはそうは思わなかっただろう。

たとえ焼野原のようになっても

これまでの歴史さえ忘れなければ

新宿はあらゆるものを吸い込んで

生き続けたい者たちを

何らかの形で受け入れる。

そう確信したのではないかと

私はそう思う。

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それにしても

緊急事態宣言が解除されたが

東京の感染者数は増え続ける一方だ。

しかし、新宿の住人達は

ひたすらに生き延びる道を探し続けていく。

写真の新宿タイガーさん(いまは新聞配達を引退して集金専門)が

「自分はトラだからトラらしく強気でやっていく

 コロナなんかぶっとばせ!って。」

それしかないのだ。

 

それにしても新宿に行かなくなってから

もう4か月。

来月24日には吉祥寺に用事があるので

寄ってみたい。

その時、新宿は

平常が戻っているだろうか。

この目で見なければ。

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