ネットで公開中 映画「精神0」

「遠近を抱えた女」の次にネットで

観ることが出来て良かった。

想田和弘監督の最新作

「精神0」のことだ。

 

岡山市の大和診療所で

数多くの心の病を抱える患者たちに

向き合ってきた山本昌知医師の姿を

観察した(ありのままの全てをカメラに収める)

作品であるが、

10年前に「精神」を観た人なら

その山本さんの仕事とその姿勢が

よりよくわかるといった中身になっているはずだ。

ただ私はまだ観ていないので

映画の最初の場面である

患者の診察、というよりは対話そのものを

食い入るように見て、聞く。

 

診察に臨む姿は自然体で実に淡々としている。

患者が話すことは悪いことではなく

実にいいこと。

それだけで生きていることが

確かめられることだからだ。

この間に講演会の場面があるのだが、

自身が左腕を怪我したときに

患者たちの痛みがやっとわかってきたことを

話したときに、聴いていた人から

笑いがあった。

医者だからといって

治療に対して説得したり

押し付けたりすることなく

まず受け止めるという思いが

周囲に対して閉ざした態度をとってしまう

患者の心を解きほぐして

生きていける希望を少しづつ

取り戻していくようだ。

 

その山本さんも引退して

診療所を去ることになった。

このことを患者さんに知らせて

後任の医師に引き継ぐことを

進めるのだが、

やはり患者からは不安の声が出る。

そのとき、辞めるけれども

いつでも話ができるようにするなど

できる限りのことをすることも伝える。

その中には

おやめになられるのだから

温泉に行ってのんびりしてくださいとの

ねぎらいの声もかけられるなど

まるで家族のような会話もあった。

 

この後夫婦どうしの日常や

知人との会話など、

医師をしての仕事を離れた

山本さんの姿もこの映画にあったが

これはほんとうに多くの人に見てほしい。

少なくてもこのような精神科医

一人でもいなくなることは

社会的に損失だと思うが

逆にこの映画を見ていただければ

ほんとうの心の病に挑む

医療の現在が理解してもらえると思う。

コロナウイルスの影響がなければ

渋谷のシアター・イメージフォーラム

観るはずだったが

まず「仮設の映画館」で見て

上映が決まったら

必ずここでもう一度と決めている。

ちなみに同館では

「シリア・モナムール」を見た記憶がある。

営業の再開を待ちたい。

 

ちなみにこの後

ほかの配信サイトで

「精神」(2008年作品)も見ました。

 

www.temporary-cinema.jp

seishin0.com