「サンドの病院ラジオ」は良い

ノンフィクション(ドキュメンタリー)番組は

最近ではさまざまな手法を使って

いま起こっている現象や問題に深く

斬り込む企画ものが増えてきたが

11日に放送されたNHKテレビの

サンドウィッチマンの病院ラジオ」は(以下サンドと略)

ドキュメンタリーとバラエティの

いいどこ取りをした

素晴らしい番組だと思う。

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(18日発売・19日付日刊ゲンダイより)

この番組は特別枠で

これまで2回、本当に病院の中に

ラジオ放送のスタジオをつくって

1泊2日で患者さんやその家族と病院関係者などに

話を聞いてリクエストした曲を流す

本当のラジオと同じ内容で作られている。

最初はがん専門病院、2回目は小児医療の専門病院、

そして今度はアルコールやゲームなどの依存症を専門とする

病院からの「放送」となった。

上の写真にあるように

入院しながら断酒のためのプログラムに取り組む

患者もいれば、

退院してカウンセリングのために

通院している人にもスタジオに来てもらって

話を聞いていた。

夫が明らかに酒に依存しているのを

「魚の目が腐ったような顔をしていた」

また、外出して帰ってきた後に

冷蔵庫の中にビールがあったことで、

そう簡単に「やめる」ことが難しいと知った

という奥さんの声を聞いてサンドの二人が、

自分たちは飲まないので

この話で依存症とは心の問題ではなく

病気の問題だということがわかり始めたということ。

また通院で来た人が

歌舞伎町でお酒が常に近くにある職場で仕事をしているが、

一日飲酒をしなかったことで

前向きに病気に向き合えることが出来ていることを

語ったこと。

この人は放送に出た後で看護師さん達と再会した時に

互いに喜びあったところも映像であった。

CT画像を見せられて

脳が委縮してアルコール漬けになっていることを

初めて知ってやっと治療への自覚が出たという

患者さんの声もあった。

この事実を知ればどうしても

重苦しいものにあるが、

サンドの2人は決して知ったかぶりをせずに

自然体で受け止めて相手の思いを大切に

しているということが、

いまの医療に関する問題を

より多くの人々に正しく知ってもらう

きっかけにもなるのではと思った。

身構えを固くすることなく

ゆったりとした状態でも見たり聞いたりすることが

出来ることがこの番組のもっとも良いところだと思う。

29日に再放送予定なので

できれば多くの人に見てもらいたいと思う。

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(25日付東京新聞朝刊より)www4.nhk.or.jp