美容室であれ床屋であれ、
椅子に座れば眼の前にあるのは
鏡。それが常識だ。
ところがこの美容室は
椅子から見えるのは
海だ。鏡ではなく、窓ごしにあるのは
海とその対岸にある風景なのだ。
先月27日の早朝(26日深夜)に見た
NNNドキュメント「海と島と美容室~人生を見つめる時間~」。
以前ハンセン病の件で書いた、
瀬戸内国際美術祭の会場の一つ
女木島の「島の中の小さなお店」プロジェクト。
そのヘアサロン「壽」で
高松市から訪問で美容室を開いた
玉木ひろ子さんと島の人々や
美術祭に参加したアーティストなどの
出会いとふれあいを振り返った記録だった。
島で大きなまつりがあった時は
ここが涼しいところでの特等席になったり
50歳の誕生日を迎えた地元のお客さんに
バースデーカットをさりげなくサービスしたり
手術を控えた近くに住むお婆さんと
カットをしながらいろいろな話をしたり
昨年11月4日に営業が終了した時には
たくさんのチェキ撮影の思い出が集まった。
家に近い日本海を見て育ったことから
今回の出張美容を引き受けたということで
かけがえのない時間を過ごすことが出来てよかったと。
お母さまがパーキンソン病で地元に入院中。
そこでも髪をカットするのは玉木さんで
いつかはここの海へ連れていきたいとも。
今年に入ってから突風で自転車から落っこちて
大腿部骨折をしたということだが
「やってもらう立場になって髪をする必要性を
改めて感じて、少しでも皆さんのお役に
立ててたんだなと振り返られて良かったです。」
こんなヘアサロンなら誰もが行きたくなるだろう。
日ごろの疲れも髪とともに
きれいにカットしてもらえそうだから。