続・自主夜間中学とは

2年前に買った「新たな出発(たびだち)の今 松戸自主夜間中学校の30年」(桐書房刊)を読み返してみると、

「はじめに」の項にこの一文があった。
「自主夜中は開校当初より、年齢、性別、国籍、学歴、学歴、その他一切を問わない、学びたいという気持ちだけを入学条件とし、
『来るもの拒まず、去る者追わず』『教えるものと教えられるもの隔てなく』等を基本原則として運営してきました」
1980年代に入って既に都内にあった公立中学校の夜間学級に、松戸市から越境して通学する生徒が多いことを
憂いた夜間中学校の教師・卒業生その他市民有志が1983年4月に「松戸市に夜間中学をつくる会」を結成し
市立の夜間中学校を開設を求める運動を30年に渡って続けてきた。
自主夜間中学は同年8月にこの運動の中で開講された。同書のなかでは
「人が人として生きるための人権としての『教育への権利』をほかならない市民が実質的に保障していこうと」と
その理由として綴られている。
会のスタッフの一人である榎本博次さん(NPO法人としての会の理事長)が合唱練習を見に来たときにこんなエピソードを話した。
「自主夜間中学をやることを決めたが松戸市、市教育委員会は公共施設を貸してくれない。貸したら夜間中学校を設置することを認めてしまうからだそうです。
それなら松戸駅西口の広場にテントを張って、街灯の下で授業をやると言ったら、やっと市が折れて勤労会館を貸してくれることになったのです。」
そのころ市教育委員会は市立の夜間中学校の設置については白紙状態だった。
その頃、1982年には市川市では市立の大洲中学校に夜間中学校を設置することが決まり
川崎市でも市立の西中原中学校にも夜間学級が開講された。
自主夜間中学を開講して公立の夜間中学校を求める活動が実を結ぶのは
国が設置を推進する法律が制定された一昨年のことだった。
全国夜間中学校研究会のHPより
http://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/houan.html