台風19号 八ッ場ダムもスーパー堤防も防災効果が出ていません!

国会で台風19号の被害および治水の対策に関して

赤羽一嘉国交相自民党議員の質問に、

一定の役割を果たしたと答弁し

首相も「後世の人救う」とこの事業に意義があるとする

発言したそうだが、

どの口が言ってるのかと呆れてしまった。

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(17日付東京新聞こちら特報部」より)

まず、利根川沿いで大きな被害が起きなかったというのが

大嘘である。

下流の地域である千葉・茨城両県では13日から水位が上昇して

住宅の周辺や農地などに浸水被害が出ている。

台風15号の被害を受けた成田・銚子・香取市では

避難勧告が出て復旧復興がままならない事態を迎えてしまった。

利根川の栗橋観測所(埼玉県)の最高水位は13日午前3時過ぎ

 に9.67mを記録。だが(水源連共同代表の)嶋津(暉之)氏によれば

 堤防整備の際に川の水が流れても耐えられる目安にする

 『計画高水位』(9.9m)より低かった」(上の写真の記事より)。

さらに過去八年の栗橋地点の流量データから、

ピーク時には毎秒11700㎥の水量が出ると算出して

国交省の資料を基に試算すると

その増水は約17cmの差しかないと仮定。

下流でもたらされた増水は

支流から合流する水が多くなったことと

増水時に高潮が重なったことから(NHKニュースweb報道などより)

下流における治水効果は全くないといっても良いだろう。

 

 

埼玉県が助かっただけでもいいじゃないか、

荒川の被害からさらに拡大しなくて良かったじゃないか

という意見もあるが、

もともと八ッ場ダムは将来的な水資源の確保のために

国と一都六県が共同でお金を出して建設するはずだった。

しかし、実際にはそこまでの需要が見込めないとして

千葉県は建設費の支出を凍結したことがあり

民主党政権がその声を受け止めて建設を一時停止している。

しかし第二次安倍政権の発足で

ダム建設の意義がうやむやになり

いつのまにか「治水のため」との理由が付け加えられたので

「あの」森田健作知事が前の知事の決断を覆し

「あの悪夢のような民主党政権が決めたことだから」

という口実で、

建設費を支出してしまったのだ。(上の写真参照)

その前の知事こそ無党派の立場で

お役所県政の刷新と障がい者の社会参加を促進に貢献した

堂本暁子氏である。

今回のダブル台風で千葉が大打撃を受けた現実を見る限り

堂本氏の行動が正しかったといえる。

 

またスーパー堤防が治水効果に役立ったという

評判も立派なフェイクニュースだ。

スーパー堤防として整備された地域では

河川の大幅な増水がなかった。

完成したのは江戸川流域のごく一部(3.4㎞)では

他の河川との比較のしようがない。

なにしろすべてを整備するためには

総工費約12兆円、江戸川の流域全てを完成させるだけでも

1兆円以上で百年以上かけて完成予定では、

再び大きな台風や暴風雨が襲いかかっても

すぐに効果が得られるわけがないのだ。

もうすこし河川行政の在り方をみんなが

正しく知ることが出来ないと

「後悔先に立たず」となってしまうのだ。

少なくとも政治家の発する「ウソ」には

今後とも十分に注意すべきである。

もう一つ付け加えるならば

霞が関の圧力に屈して八ッ場ダムの建設を認めてしまった

「旧」民主党の政治家たちは

みんな揃って無罪なのである。

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