フジテレビの深夜枠で放送されている
「FNSドキュメンタリー大賞」の中で
今のところ今年度の作品で最も注目しているのは、
テレビ静岡制作の
「豊かさの行方~障害者支援施設はイマ~」である。
実は近所で知り合った人で
お子さんが作業所に通って
その縁で無農薬のニラや
シフォンケーキなどをいただいたことが何度もあることや、
「新聞うずみ火」の集いなどで
きょうされんに勤めている方と名刺を交換したから、
ぜひとも見なければと思ったことからだ。
(番組の映像より)
障害者支援施設としてB型事業所を運営し
様々な障がい者を受け入れて
名刺の点字の打ち込みや豆を販売するための包装、
その袋のシール貼り、さらに
市役所内売店で売る弁当やシフォンケーキの製造など
実に多くの仕事を引き受けている。
その理由として厚労省の指示により
工賃の変動によって国からの助成金が増えたり減ったり
することになったからだ。
B型事業所は全国に約1万1000か所もあり
約24万人がここを利用しているとのことだが
利用する側の条件や環境によって
事業所の形態も様々でその工賃は
必ずしも全国的に一定ではないそうだ。
さらに最低賃金の法的な順守から外れているため
月給だけでは生活が成り立たないので
障害者年金などの公的支援は欠かせないことになる。
(ティンクルの平均工賃は全国平均より1500円高く、その分助成金も増えることになる。)
ほかの事業所が設備とシステムに投資して工賃を増やして
ビジネスとして成立させようとする動きに刺激され、
施設長は(上の2番目の写真)さらに工賃が高くなる仕事を
積極的に引き受けようとするが
母親でもある理事長(3番目の写真)は
まず居場所をつくることが大切で
「きょう一日ここで過ごすことで生きてて良かった」
と利用者が実感することが大事だと語る。
しかし国の制度によって成り立っているのだから
これからもこの動きを注視していくと。
施設長の弟さんが知的障害であることが
きっかけで福祉に関する資格と経験を積んで
作業所をつくりあげたとのことだが、
職員や協力してくれる人たち、
利用者家族、そして同じ作業所を運営する方々と
意見を交換しながらこれからも
理想の豊かな社会づくりへ向けての
歩みは続けられる。
しかし、「福祉」と「経済」の間で
これからも作業所の在り方が再び変わるかもしれない。
きょうされんが調査したところ
866施設からの回答で約6割は助成金が減少している
と番組の中で。
障がい者に本当の生きがいと豊かさを与えるために
社会全体の関心がさらに増えることを望むしかない。