鳥取から 外国人技能実習生と荒海と

参院選投票日の朝6時台にNHKで放送された目撃!にっぽんは
鳥取境港市の田後漁協が
インドネシアから技能実習生を迎えて不足する労働力を確保していることを伝えた。
漁業関係の実習で漁にも長く出ることもあり、
決して楽ではなく脱落者も出るが、
水産高校を卒業してここへ来た人も多く、
修了後は働いた給料を貯めて大学に進学したり、
新しい船で父親と漁業を続けると進路を決めるなかで、
一期生のひとりデデ(23歳)は進路を決められずにいた。
フェリーの船長になって世界中を航海する夢があったが、
漁の最中に指が巻き上げロープに巻き込まれ一部が切断。
仕事への恐怖とその意欲を失った。
しかし最も親しく兄のように慕ったヤントが、
乗っていた船がエンジントラブルになり、
曳航中に転覆。帰らぬ人となった。
「一緒に日本に来たのだから一緒に日本に帰ろう」と
けがをした時に励ましてくれたのがヤントだった、だからこそ
「自分はヤットの分まで頑張って生きなければいけないと思った。」
指のけががなければ自分も事故で命がなかったかもしれなかったからだ。
帰国した後、実家は家具ビジネスを始めたが、
考え続けた結果、お世話になった実習生を派遣する会社で
講師になり、9月から後輩たちに講義をすることに。
「お金を稼ぐという
強い意志がなければ日本で成功することが出来ません。」
ジジは厳しい言葉でそれでも励ましの心で学生たちをバックアップする。
同世代の日本人がやりたがらない
過酷な環境と給料の格差。
でもその理解と周囲の思いにこたえれば働いた分だけ家族を幸せにすることが出来る。
死んだヤットも仕送りで実家をリフォームさせた。
いまの日本の漁業を含む一次産業は彼等のような青年たちでささえられている。
どうかもっと温かい手を差し伸べることができないものだろうか。
一期生は2016年から3年。
そして今年7月から、
新しい実習生を田後漁協は迎え入れている。
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