ドキュメンタリー「山小屋弁護士」

このブログで元北海道警の警部が

覚せい剤大麻の密輸と引き換えに拳銃摘発の手柄を立てながら

最後は警察組織に切り捨てられて、最後には

覚せい剤所持で逮捕されたと告発したドキュメンタリーのことを書いたが、

その道警が裏金問題を北海道新聞が調査報道で

スクープし、その後に元道警総務部長が

同紙(当時の担当記者・高田昌幸氏も含めて)と講談社などを相手取って

損害賠償訴訟を起こした時の被告側弁護人を務めた

市川守弘氏(65歳)の闘いを追った

テレメンタリー2019「山小屋弁護士」が

7日早朝に放送された。

ジャーナリストの津田大介さんが自身のCSの番組の

ディレクターが作ったのでおすすめとツイッターで拡散してたので

早起きしてみたが、知られざる本当の環境問題をえぐりだしたような

内容だった。

市川さんはアイヌ遺骨返還訴訟(北海道大学に対して)の弁護団

しても活躍した北海道の弁護士さんだが

依頼した人には「先生というのはやめてくれ」と。

常に同じ市民感覚を持ち続けていきたいと思っているからだそうだ。

そして沖縄での行政(県・国頭村)による大規模伐採、

愛媛県愛南町風力発電所による騒音問題(これから始まる予定)、

さらに只見川ダム水害訴訟(2011年に起きた)

に現場主義で調査し、原告側との対話のなかで

事件や問題の本質に見つける仕事を見た。

ではなぜ「山小屋弁護士」なのか?

以前は札幌に事務所を置いていたのをやめて

占冠トマムの「山小屋」に事務所兼自宅を移し

そこから依頼人の元へ直接出向く毎日を送っていることから。

「別にお金はいらないという訳ではないよ、

 だけどお金のために依頼を受けるとか

 お金のために何かをやるというのは

 それは僕の生き方じゃない。」(市川さん)

沖縄の大規模伐採(命の森やんばる訴訟)では裁判に勝っても成功報酬ゼロ、

それどころか切られた木々と森は元には戻らない。

「(市川さんは)絶滅危惧種。」(生物生態学者・金井塚 務さん)

「相当変わっている人。」「沖縄に来れば3泊4泊でやんばるを調査、

  生活はどうしているんだろうと。」(地元の弁護士さんから)

「困っている人には助けてくれる、裁判費用困っていますから

 それも助けてくれる。」(原告の平良克之さん)

自然と共生する生活を守るために視点を集中させて

そこから原因を探り明らかにしていく。

やんばるの森ではノグチゲラの生態から本土復帰後に伐採された木で

20cm以上成長したイタジイはないという事実を押さえるばかりか

国頭村で巨大なイタジイが切られているのを見つけて「墓場・・・」。

(現在も係争中)

風力発電所低周波環境省は問題ないとしている)のみならず、

そこでつくられた電力は地元で使われることがない、原子力発電所と同じだ。

そして発電のためのダムは、大量の堆砂が撤去されないために水面が上がり

豪雨のときの排出で大水害をもたらすという事実も明らかにした。

しかし、

「ダム設置者である電力会社の管理権限は河川に及ぶものではない」

(仙台高裁・2019年3月15日判決)

敗訴後の集会でその説明を終えたあとに思いがけないことが。

原告の住民代表が「何も謝礼をしていないから」と

お礼の包みが渡されたときに

「これは多いわ」「負けてしまったのに、すみません」と

頭を下げた市川さん。そしてダム撤去へ向けての

新たなる闘いを住民とともに立ち上げた。

そして、沖縄では訴訟に市民団体も参加するようになって、

地元の子供たちも裁判資料のための定点カメラを見るようになった。

するとそこにはヤンバルクイナのひな鳥が歩いている姿に喜びの顔が。

「裁判で勝っても自然が壊されることがよくある、

 だからそうじゃなくて国民運動の中で

 どうやって自然を環境をそれぞれ守っていくか

 それが大切だと思ってますから。」(市川さん)

環境破壊は日々の暮らしが便利になる中で

静かに起こっていくものであるし、

また突然大型開発などで押し迫ってくることがある。

G20サミットでは廃プラスチックの海洋汚染問題が取り上げられたが、

まだまだ無視されている環境問題が日本にはある。

市川さんはこれからもそれらを「知ってもらう」ために

お金にならない弁護士活動を続ける、

その思いを多くの人達に応援してもらいたいと強く感じた。

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