狭山から国立ハンセン病資料館へ

(この内容は昨日のブログと出来事が前後していることをお詫びいたします。)

7月6日の土曜日は昼に沖縄で一緒だった

Nさんの詩と風水画の展覧会を見に行った。

といっても狭山市にあるイタリアレストラン

の中に作品が展示されていて、食事を楽しみながら

鑑賞が出来るわけだ。

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もっともランチタイムで客がたくさんいたため全部を見ることが

出来なかったが、ラクシュミスタイルさんという人の絵は

確かに風水に使う何らかの記号のようなのが描かれて

独特の世界を醸していた。

「ここの近くの上島珈琲店で出会って、いろいろ話をして

 こういうことになったけど、風水で稼いでいるわけ

 じゃないらしい。」

どうしても私はドクターコパ(小林祥晃氏)を連想してしまう

がそのような類ではなさそうだ。なんとも不思議なものだが

こんな人間関係もありなんだなと思った。

Nさんの詩は生活の中からふと感じたことを

磨いた言葉で、それでいて飾りのない表現で

まとめられていた。

 

 感情

 

 言葉はどうにでも操れる

 言葉と感情は剥離しているから

 言葉と感情ははるかに遠い

 

 言葉にこめられた思いは

 一反の織物となって

 雪の原野にさらされる

 

 感情は静かに静かに

 心の中に押し留められ

 ただ堆積していく

 

 見破れる人がいるだろうか

 幾億万の人々の中に

 私を認めてくれる人がいるだろうか

 

 あなたがその一人になれば

 私はそれだけで嬉しいな

 

今回見た展示の中にはなかったが

以前いただいたNさんの詩集にあったこの詩が

私にとっても心の支えになっている。

なにか自分の気持ちを代弁してくれたような感じだったからだ。

 

その後食事をしながらやっぱり話題は

沖縄ツアーの話に。

「新聞うずみ火のYさんに言ったら、

 その(タクシー)運転手はもっといいお客を

 乗せたからだろうって。」

「なるほど、南部(糸満市など)は慣れてないって

 言ってたもんね。」

「私たちって魂魄の塔、健児の塔、平和祈念公園

 こまごま回っていたでしょう。

 だから那覇まで一気に帰りたいお客を乗せて。」

「確かに遠い距離を稼ぐのならね。」

そしてまた初日に行った今帰仁村のMさん家に

行きたいねと話を交わして

午後に店を出る。

上野の東京都美術館に行くNさんと

所沢駅でわかれて、私は東村山にある

国立ハンセン病資料館に。

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ここに来るのは1999年(平成11年)以来で、館内も以前よりも広くなって

展示フロアもかなり見やすく内容の充実しているなと思ったら

(旧)らい予防法国賠訴訟で国が一審原告勝訴に対して控訴を断念したことから

判決が確定。その後の「(小泉純一郎内閣総理大臣談話」で

資料館を充実させることが盛り込まれたことから

2007年(平成19年)に国立ハンセン病資料館として

リニューアルオープンしたという。

(それ以前の名称は高松宮記念ハンセン病記念館)

企画展「キャンバスに集う~菊池恵楓園・金陽会絵画展」

ツイッターで知ったので次にここへ。

戦後、文化活動として全国のハンセン病療養所に絵画サークルが

たくさん出来たそうだが、活動が一時的であったり

作者の没後に作品が処分されたりしたことで

全てを知ることが困難なケースがほとんどだという。

その中で熊本の菊池恵楓園に1953年(昭和28年)に

発足した金陽会はいまでも20名ほどが活発に

活動を続けて850点もの作品が残って

現在に至っているとのこと。

元患者の高齢化とそれによる療養者の減少で

大変な思いをされていると思うが

展示された作品はそれを感じさせない躍動と

感性がぶつかり合って、

生きていることの実感とその喜びを感じさせる

ものばかりだった。

「金陽会は、仲間たちのおりなすハーモニーだった」

とリーダーだった会員の吉山安彦氏(90歳)はこの

メッセージを寄せている。

個性的な仲間が自由に絵を描き続けてきたからこそ

なので「キャンバスに集う」と題をつけたのもそのため。

納得がいく。

絵画のほかに園内の機関紙「菊池野」の一部も

展示されていて表紙絵も様々な作品ばかりだった。

写真はポスターだが、その他の作品はぜひ自分の目で

見てもらいたい、7月31日まで入場は無料。

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(昨日のブログへつづく)

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