NNNドキュメント「ニッポンで働く 外国人労働者”共生”の覚悟は・・・」を見て

6月30日早朝は外国人留学生をテーマにした

ドキュメンタリー(テレメンタリー)を見たが、深夜に放送された

日テレのNNNドキュメントも外国人労働者

問題を取り上げた。

ただし違いがある。こちらの方は

技能実習生」の現状をクローズアップさせている。

群馬県昭和村のグリンリーフという会社の

農場では畑のほかにこんにゃく工場もあるが

すべて技能実習生が主な労働力になっている。

「彼らがいなくなったら野菜の値段があがる。」

2018年11月にここへ来た

ベトナム出身のグェン・ティ・チャ―さん(22歳)は

父親を早くに亡くし母親が働いて家族を養うも

お姉さんが大学に行った時に借金を抱え

結婚したことを機にその借金が残された。

そのために日本で働くことを決めた。

働くかたわらで日本語を自主的に学ぶ。

「日本語の先生になりたいですけど

 どうすればいいのでしょうか?」

ひらがなで手紙を書くこともまた勉強のうちと

熱心になる姿もあった。

雇う側も、職場の環境面でチャーさんらを支えている。

グリンリーフ社長の澤浦彰治社長(55歳)は

毎月ミーティングを開き、暮らしなどに関する注意事項や

従業員らの要望や悩みを積極的に聞いている(通訳を交えて)。

「日本人のようにあいまいな言い回しをせず

 困ったことや意見をはっきり言うところがある

 (ことがわかった)。」

奥様の幸子さん(51歳)もきめ細かく従業員を支え

「お母さん」と呼ばれるまでになり、

また大晦日には忘年会などのイベントなども

実施するなどしてコミュニケーションや交流関係も

大切にしていることを映し出された。

澤浦社長がなぜそこまでするのかの理由も伝えている。

これからも技能実習生が自分たちの求人に応じてくれるのか

の不安があるからだった。

ベトナムの受け入れ機関(現地の民間企業)を社長夫妻が訪ねて

採用面接(面談や腕立て伏せなど)を行う場面、

そのあとに同機関への求人票の掲示、農業、食品加工、機械など30社以上あるが

みな最低賃金以上の待遇になっている。

「給料の安い企業はお断りしている。」(受け入れ機関の社長)

澤浦社長も受け入れ機関の社長と食事中に

日本が働く場所として魅力的なのかと質問する。

受け入れ機関TVCグループの

社長は「日本はまだ一番人気」

「(日本で働きたいときの情報手段は、インターネットよりも)口コミ、

最近はすごくよく話を聞く」

「日本での一番人気は食品加工、弁当・総菜の会社とか仕事の場所は

 工場の中」

これに澤浦社長は「(日本に)来る時点で選ばれている、

ベトナムの人々に。」危機感は相当なものだ。

その後でチャーさんの実家にも足を運び

母親や家族たちに元気で働いていることを伝え

これからも様々なバックアップをすることを約束した。

最後にチャーさんは給料から貯めた20万円を

初めて家族に仕送りして、母親と笑顔で会話をしたこと、

そして借金を返すために働き続けることを話したときに

涙を流したことも映像で伝えられた。

 

番組を通じてのメッセージは30日早朝と同じ

私達の便利な暮らしを支えているのは多くの外国人労働者であること。

しかしこの番組ではさらに

いつまでこのような方法で労働力が確保できるかが

わからないという警告もあった。

改正入管法による規制緩和で32万以上の外国人を受け入れる

と政府が数字で示したが、経済情勢とが少しでも変われば

労働者の確保が思うようにいかなくなるかもしれない、

というより既にこの事実が起きている。

 

去年、不法就労によって外国人労働者を巡る

事件やトラブルについてのドキュメンタリーを多く見た。

また入国管理局の非人道的な取り調べや長期にわたる

拘禁に対する抗議行動も今年になってネットで伝えられた。

外国人労働者に関する問題はそう簡単に解決されないだろう。

だから、もっと関心を持たなければならない。

世論調査では、外国人労働者受け入れに過半数が賛成

しかし外国人労働者が自分の家の近くに住むのには

50パーセント以上が違和感をもっているというが、

もう当たり前のように外国人労働者が身近に存在していること

をもっと知るべきだと思う。

もはや違和感どころではないのだ。

なおこの番組はBS日テレで明日昼11時から再放送の予定。

ぜひ見てほしい。

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