(承前)名護市内のやんばる戦跡を巡った最後に、
辺野古地区の基地建設地点を見渡せる
瀬嵩の浜に案内してくれるということで
バスはそこに移動する。久志郵便局の近くで
停車させて、あとは海まで徒歩で行く。
地元の幼稚園の清掃活動をアピールした看板を見ながら
藪に囲まれた小さい道を抜けると海が広がった。
何年か前にここから大浦湾を見たことがあるが、あの時はブイが浮かんでいて、
海の真ん中あたり(自分のイメージとして)にボーリング作業の船があった
のが見えたが、いまでは埋め立て作業が始まったことから
土砂を載せた船が留まっていて、はるか先ではクレーンらしきものが
見える。
この海の向こうではすでに土砂が埋め立てられているが、この浜の対岸は
いまだに作業は始まっていない。軟弱地盤がみつかり
工事の方法を変えなければいけなくなったが、県はその変更を認めない方針
だからだ。写真では入れられなかったが地元の漁船が反対活動のカヌーや
抗議活動の船を監視するためにブイ周辺の海に浮かんでいた。
この浜辺は海水浴場のような砂浜と違って、サンゴの死骸や貝殻などが
打ち上げられたのが堆積されていて、一行の中には
「孫のみやげにする」とそれらの美しいのを拾う人もいた。
「困難だけれども、埋め立て反対をあきらめない、不屈ですよ」
と吉田勝廣さん。まだ大規模な工事が始まらないなら
怒りの声を挙げることが決して無意味ではない。
ギリギリでもいまなら止められる、絶望することなく
これからも辺野古を見つめていこうと心に誓った。
全ての日程を終えて那覇に戻ったときは既に午後6時近くになっていたことから
そのまま懇親会会場の「花咲か爺さんの家」へ。その前に近くで記念写真を
撮ったが地元スーパーの駐車場前だったので車に気を付けて
てんやわんやの撮影となった。ガイド役を務めた沖縄タイムスの謝花直美さん
のおすすめの店で、昨年もこの店で飲み会をやったが
泡盛飲み放題(ビールグラス一杯含めて)、肴は食べ放題で
3000円の安さ。しかも店主は八重山の出身で
生きのいい魚がいつも安く手に入れられるとのことなので、
まぐろの刺身は大盛りでうまい。もちろん他の料理も
言うまでもなく量も味も最高だった。
最後はなんとヤシガニの味噌仕立てのスープも出た。
宴も進みすっかり酔いも回り、それでも楽しい時間の中で
沖縄戦に関する学習のことなどが少し思い出して
中身の濃い一日になったなあと振り返ってこの日は終了。
でもやっぱり疲れた。(つづく)