絶望だらけの働き方改革・派遣社員に交通費が支給されないのは当たり前!

やっぱりなと読んで思った。3月24日の東京新聞1面は

竹中平蔵会長でおなじみのパソナが自身の有期派遣社員

無期に転換する時に交通費などの手当てを与える替わり

実質給与を減額していたことが明らかになったことを

伝えていた。

「手当が支給されるのに収入が変わらなかったり減ったりするのは

納得できない」という声が出たということだが、こんなレトリック

はもはや派遣業界では当たり前になっているのだ。

私の場合はいまだ有期の派遣であり3か月ごとの契約更新で

あるが、待遇は無期派遣と同じになっている。

なぜなら2年前の春から突然派遣元からこう宣告されたからだ。

「新年度から、週4日以上働きたい人は弊社が入っている

 社会保険と厚生年金に加入してもらう。」

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つまりここで働く人間は週3回以下で全て手取りでもらうか

多少手取りが減っても週4日以上ガンガン働いて

厚生福祉を会社側に保護してもらう道を選ぶか

有無を言わさず2つに1つの選択をしろというわけだ。

結局まともに働く人間がこの職場からどんどん減って

この職場ではなく別の職場を掛け持ちする人間ほど得をするようになり、

仕事に対して最小限の責任すらもてない派遣ばかりが跳梁跋扈して

秩序や繁忙期における人員不足を招く結果になってしまった。

さらにこの宣告の前には交通手当が1か月1万円が支給されていたのが、

「時給を900円から1020円にあげるので交通費は廃止する。」

と言われて何も異議を発することなく従わざるをえなかったのだ。

その理由は、派遣元は職場の大元の派遣の孫請けということで

「元の派遣先の時給や待遇より上回ることは許されない」と

いうことだった。非常に悔しい結果になったのだが、

その時その派遣元から「あなたはここから他の派遣先に行けと

言われたらどうしますか?」と突然面接で言われて

これからもここにいたいと言ったので

そのための負い目で、たとえ手取りが減っても

社会保険料と厚生年金保険料を納める側を黙って受け入れること

になってしまった。しかし同一労働同一賃金というのなら

それ以外の待遇を確保するのは当たり前で

そこから賃金をどうするかという話し合いが行われるのが

当たり前なのに、気が付いたら来年度の働き方改革が実施

される前に全てに疑問を持つことが許されない環境に放り込まれた

ことになる。しかも正社員ならどれだけもらえるのかということ

も一切知られないままに。

そして世間一般も

派遣社員に各種手当なんかもらえなくて当たり前じゃないの?」

という誤解が拡散されたまま政府がこれを放置する。

文句があるなら外国人労働者に代替すればいい。

そうしたところで雇う側に不利益が生じない。

あとは同じ労働者同士で勝手に憎しみあってもそれは自己責任。

このような環境で働けることが素晴らしいと思えば良いのであると。

しかしこのような事態を放置することは許されない。

最低賃金の底上げと非正規雇用にも各種手当を必ず与えて

手取り額の目減りを阻止する訴えをどうすればいいのか。

いま働く側に問われているのがこれである。

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